2直線のなす角と tan の加法定理:公式に頼らず3ステップで着実に解こう!

難易度:★★☆☆
頻出度:★★☆☆

今回のテーマは直線のなす角と tan です。

特に2直線のなす角を tan の加法定理で求める方法について詳しく解説します。

図を描かずに公式だけで解き切ってしまう人もいるかもしれませんが、しっかりと図を描いて解く方が様々な問題に対応できます。

入試や定期テストでもそこそこ聞かれる内容なので、是非マスターしておきましょう。

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直線の傾きが tan

まずは tan の定義をおさらいしたいと思います。

tan を含む三角関数の定義と相互関係については次の記事で解説しました。

この記事で述べたとおり、tan はまさに直線の傾きです。

つまり直線 y = mx+n が x 軸の正方向となす角を Φ とすれば、tanΦ は直線の傾き m となります。

これは定義、言うなれば決まりですので、「何故?」はありません。

ここで 「x 軸の正方向となす角」という表現が若干分かりづらいと思います。

直線と x 軸の交点で角度を測るときに、難しく考えずに自然に、単位円で角度を測るように、x 軸から直線へ反時計回りに角度を測ればOKです。

この後の図でもご確認ください。

2直線のなす角の求め方

そしてよく問題にされるのが、2直線のなす角を tan の加法定理で求める手法です。

これは公式になっていますが覚える必要はありません。

一般的に数学公式は大変便利ですが、公式に頼りすぎるとしばしば問題を解くのが機械的になり、応用問題に対応できなくなる恐れがあります。

この2直線のなす角の問題では特に、ケースバイケースで図を描いて考えることが大切です。

手順は次の3ステップです。

Step.1 θ、α、β の図示

まずは図を描いて、2直線のなす角 θ と、2直線それぞれが x 軸の正方向となす角 α、β を図示します。

ここで αβ と設定しておく(2直線それぞれのなす角のうち、大きい方を α、小さい方を β とおく)と後が楽です。

また2直線のなす角には鋭角と鈍角(和は π)がありますが、どちらが問題となっているか、よく確認しましょう。

Step.2 θ と α、β の関係を考える

次に θ と α、β の関係を考えます。

前述のとおり α > β で設定しておくと、どんなケースにおいても鋭角、鈍角のどちらかが α-β になります。

よって θ = αβ または π-θ = αβ となります。

次の図でご確認ください。

(実際の問題では2直線の交点が x 軸上にあるとは限りませんが、平行移動してしまえば同じことです。)

2直線のなす角 θ と α、β の関係図

Step.3 tan の加法定理を利用する

最後に tanθ または tan(π-θ) に加法定理を適用します。

後者の場合は tan(π-θ) = -tanθ なのでどちらの場合も結局同じ計算をすることになります。

すると tanα と tanβ の式になりますので、それぞれの直線の傾きを代入します。

問題に挑戦!

では以上の流れを実際の例題で確認してみましょう。

標準的な問題ですが良い練習になるはずです。

問題

直線 y = (-1/3)x+1 とのなす角が π/4 で、原点を通る傾きが負の直線の方程式を求めよ。

<解説>

まずは Step.1 のとっかかりとして座標軸上に2直線を図示します。

求める直線は原点を通るので y = mx とおいておきましょう。

ここで、問題文で傾きが負と言われていますが、未知数は正で仮定します(傾きを -m とはおかない)。

数学でも物理でも化学でも未知数は正で仮定する、当ブログでいつも強調していることです。

その上で出てきた答えがマイナス(m < 0)になっていることを確認すればOKです。

また、実際に描いてみると与えられた直線が x 軸の正方向となす角の方が大きいことが分かるので、こちらを α にすれば良いと分かります。

y = mx が x 軸の正方向となす角 β、2直線のなす角 θ = π/4 も図示できたら Step.2 に進みます。

(この問題では鋭角の方が話題になっていますね。)

Step.2 では2直線と x 軸がつくる三角形に着目すれば、ただちに θ = αβ と分かります。

後は Step.3 で tanθ = tan(α-β) を加法定理で計算するだけです。

計算結果が tan(π/4) = 1 になるので、m の1次方程式と見て m について解いてフィニッシュです。

m がきちんと負になったことも確認しておきましょう。

2直線のなす角と tan の例題の解答

まとめ

最後に今回のテーマのまとめです。

2直線のなす角の問題は公式に頼らずに、3ステップで図を使って能動的に解くのがおすすめです。

tan の定義と共に次のように単語カードにまとめておきます。

なお tan の加法定理を忘れてしまうと厳しいので、しっかり覚えておきましょう。

2直線のなす角と tan の加法定理のまとめ(1)

2直線のなす角と tan の加法定理のまとめ(2)

今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!