うなりの公式の意味が必ず分かる説明:ドップラー効果との融合題も解説!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★☆☆☆

今回は物理の波動分野からうなりを取り上げます。

うなりの公式は簡単な形であるが故、その導出や意味にはあまり注意が払われません。

しかし導出や意味を正しく理解しておくと応用が効きますし、何より納得して公式を使いこなせます。

詳しく解説した後に、いつも通りズバリまとめます!

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うなりとは?

振動数がわずかに異なる2つの音波が干渉し、周期的に音が強くなったり弱くなったりする現象をうなりと言います。

うなりの問題では、単位時間(1秒間)あたりのうなりの回数を表すうなりの振動数 f が問われます。

またその逆数で、1回うなるのに要する時間であるうなりの周期 T も同様に重要です。

f や T は波動分野で一般的に使われる文字なので、問題文中で何の意味で使われているかに気を付けるようにしましょう。

さて、ポイントは2つの音の振動数が「わずかに異なる」という点です。

どういうことか、次の公式の導出の過程で説明します。

うなりの公式の導出

下図をご覧ください。

オレンジ色緑色の2つの音波があり、両者の振動数 f1f2 はわずかに異なるとします。 

重ね合わせの原理により、実際には青色の音波が聞こえます。

うなりの振動数の求め方(うなりの公式の導出)

左端で2つの音波の山と山が重なり合い、強め合っています。

これが1回目のうなりです。

この後のことを考え、図を右に見ていきます。

f1 の方がわずかに大きいので、オレンジ色の音波緑色の音波よりも若干早く次の山が来ます。

こうして山が来るタイミングが少しずつずれていくと、次に2つの音波の山が重なり合い、強め合うとき(右端、2回目のうなり)、両者はトータルで山1つ分ずれることになります。

つまり、2回目のうなりまでに両音波の山の数には1つ差がでます

1回目のうなりから2回目のうなりまでの時間は、前述のうなりの周期 T そのものです。

よって、「うなりの周期 T という時間の間に、両音波は山1つ分ずれる」と言えます。

後はこのことを式にすればOKです。
その際、次の内容を使います。

<メモ>
振動数は単位時間(1秒間)あたりの振動回数のことなので、任意の時間をかければ、その時間で振動する回数、つまり山(または谷)の数が求められます。

オレンジ色の音波は時間 T の間に f1×T 個、緑色の音波は時間 T の間に f2×T 個の山をそれぞれ持つので、その差が1である、という式が成り立ちます。

これを T について解けば、うなりの周期が求められます。

さらにその逆数がうなりの振動数 f であり、このようにして図中の一番下の単純な公式が導かれます。

以上がうなりの公式の導出です。
山1つ分ずれる」ことが導出のポイントでした。

うなりの公式のまとめ

ではうなりの公式を、その意味も含めて単語カードにまとめておきます。

ただ暗記するのではなく、うなりとはどういう現象なのか、何故このような式になるのか、を理解しておくことが大事です。

うなりの振動数の公式(1)

うなりの振動数の公式(2)

ドップラー効果との融合題に挑戦!

導出が理解できれば、うなりの公式は単純で使いやすいものです。

次の問題で実際に使ってみましょう!

ドップラー効果との融合題です。

是非実際に、紙に図と式を書いて解いてみてください。

(解答を見て理解するだけでも効果ありです!)

ドップラー効果とうなりの融合題

<解答>

ドップラー効果とうなりの融合題の解答

ドップラー効果の基本については以下の記事で詳しく解説しています。

ドップラー効果はうなり以上に、公式よりも考え方が重要な現象です。

というより、公式を覚える必要は全くありません!

問題が解けるようになるポイントをまとめた記事になっていますので、是非お時間があるときにご確認ください。

さて本問ですが、前半はドップラー効果の式を立てることになります。

運動の方向を考えると、観測者に届く音波のうち、音源Aが発する音波は波長が短くなり、音源Bが発する音波は波長が長くなります。

それぞれの波長を式で表し、観測者から見た「V = f λ(f = V/λ)」を立式することで、観測者が聞く2つの音の振動数が分かります。

ここで、音源が動いても音速 V は変わらないことに注意しましょう。

後は求めた2つの音波の振動数を、うなりの公式に放り込めばOKです。

ただし、それぞれの式を見て fA の方が fB よりも大きいことを確認して引き算をしましょう。

問題文中にもあるように、fA と fB はドップラー効果によりわずかに異なるのでうなりが発生するんですね。

(本問では文字 f は音源の振動数としてすでに使われているので、うなりの振動数は f’ としました。)

ということで今回はうなり公式の導出と例題の解説を行いました。

物理では現象を理解することが何より大切なので、それが伝わるような解説をこれからも心掛けていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!