ボイル・シャルルの法則で計算するときの注意点2つを例題で解説

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

今回は、かの有名なボイル・シャルルの法則について解説します。

妙にインパクトがある名前なので、公式も含めて暗記バッチリ!、という方も多いかもしれません。

しかしこの法則を使うときには、注意すべき点がいくつかあります。

本記事で徹底解説してまとめますので、今回も是非最後までお付き合いください。

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ボイル・シャルルの法則とは?

ボイル・シャルルの法則を言葉で説明すると次のようになります。

表記の仕方は人それぞれだと思いますが、これが簡潔かなと思います。

ボイル・シャルルの法則(文章)

一定量の気体について、圧力 P と体積 V は互いに反比例し、絶対温度 T [K] は両者に比例する。

とは言え、ボイル・シャルルの法則を文章で覚えている人は少ないでしょう。

上の文章を式にした次の公式が有名です。

ボイル・シャルルの法則(式)

PV/T =(一定)

PV/T が常に一定ということなので、2つ(もしくはそれ以上)の状態の PV/T をイコールでつなぐことで、未知数を計算することができます。

特に、ある状態から圧力・体積・温度のうちの2つを変化させたときに、残る1つがどうなるかを計算するためにこの法則を用います。

具体的な計算方法については後の例題で確認しましょう。

さて、ボイル・シャルルの法則の注意点の解説に入る前に、この法則の元となる2つの法則、ボイルの法則シャルルの法則についても簡単に説明しておきます。

ボイルの法則

ボイル・シャルルの法則の温度一定バージョンがボイルの法則です。

文章と式で次のように表されます。

ボイルの法則(文章)

一定量の気体について、一定温度下では圧力 P と体積 V は互いに反比例する。

ボイルの法則(式)

PV =(一定)

シャルルの法則

ボイル・シャルルの法則の圧力一定バージョンがシャルルの法則です。

文章と式で次のように表されます。

シャルルの法則(文章)

一定量の気体について、一定圧力下では体積 V と絶対温度 T[K] は互いに比例する。

シャルルの法則(式)

V/T =(一定)

と、ここまではボイルの法則と大差ない印象です。

しかし実はシャルルの法則は絶対温度(ケルビン)の成り立ちと深く関係しており、それを知っておくと絶対温度に対する理解が深まると思います。

次の記事で解説していますので、お時間のあるときに読んでいただければ幸いです。

ここまでボイルの法則とシャルルの法則を簡単におさらいしました。

両者の名前や内容を覚えておくことは重要ですが、実際に問題を解く際には2つが合体したボイル・シャルルの法則を使えれば十分です。

というよりむしろ、いつもボイル・シャルルの法則で立式する方が間違えるリスクが小さくなると思います。

それではここから、ボイル・シャルルの法則(と元となる2つの法則)を使う際の注意点をお伝えします。
押さえておくべき注意点は2つです!

【注意点①】モル数一定のときに使う

1つ目の注意点は、上記の各法則はモル数一定の気体に対してのみ使えるということです。

ここまでの各法則の説明文の最初にあった「一定量の気体について」という文言はこのことを意味しています。

具体的には密閉された容器内の気体に用いることが多いです。

【注意点②】単位に要注意!

2つ目の注意点は用いる単位についてです。

上記各法則では、圧力・体積・温度について、変化の前後等式の両辺で、それぞれ必ず同じ単位を用います

圧力と体積については、両辺で同じ単位ならどんな単位を使っても構いません。

特に温度の単位に注意!!!

しかし、温度の単位には必ず絶対温度 [K] を使います

問題文でセルシウス温度 [℃] が与えられたときは、273.15 (簡単には 273)を足して絶対温度 [K] に変換してから各法則を使いましょう。

ボイル・シャルルのまとめ

ここでまとめです。

ボイル・シャルルの法則は一見簡単ですが、注意点2つをしっかり押さえておく必要があります。

次のカードも暗記に適宜ご活用いただき、正確に使えるように練習してみてください。

ここまでの記述とは少し変えて、公式は2つの状態(変化の前後)をイコールでつなぐ形式にしてみました。

こちらの書き方の方が実践的で覚えやすいという方はこちらで覚えておきましょう。

ボイル・シャルルの法則を使うときの注意点(1)

ボイル・シャルルの法則を使うときの注意点(2)

ボイル・シャルルの例題に挑戦!

それでは予告通り、ボイル・シャルルの法則を使って計算問題を解いてみましょう。

是非実際に紙に書いて考えてみてください。

また、本記事のポイントである2つの注意点を意識してください。

問題

自由に動くピストンの付いた容器内に封入した気体について、次の問いに答えよ。
(1) 27℃、760 mmHg で 200 mL の気体を177℃まで加熱したら、体積は何mLになるか。
(2) (1)の状態から温度一定の条件下でピストンを操作し体積を 600 mL とした。容器内の気体の圧力は何 Pa になるか。

<解答>

密閉された容器内に気体を封入しているので、上で挙げた注意点の1つ目「モル数一定のときに使う」はクリアしています。

物理と同じように化学でも図を描くことが大事ですので、次の図で解説していきます。

またあらかじめ、2つ目の注意点に従い温度はすべて絶対温度に変換してあります。

はじめの状態が①、(1)の操作の変化後が②、さらに(2)の操作後が③です。

ボイル・シャルルの法則を使う例題の解答

(1)の問題文では圧力について言及されていませんが、ピストンが自由に動いているので、容器内の気体の圧力は大気圧と常につり合って一定です。

これも気体の問題を解く上で知っておきたいちょっとしたポイントなので、次のようにまとめておきます。

<重要>
ピストンが自由に動くとき、容器内の気体の圧力は外圧(ほとんどの場合大気圧)と等しい。

さて、圧力が一定なのでシャルルの法則で十分ですが、ボイル・シャルルの法則の形で立式しました。

いつもボイル・シャルルで立式するように練習しておけば、気体の圧力・体積・温度のすべてをチェックするクセがつき、正答率が上がることでしょう!

(2)ではピストンを操作し体積を大きくしている(ピストンが自由に動いているわけではない)ので、気体の圧力は大気圧と一致しません。

一定温度下の変化なのでボイルの法則が適用可能ですが、(1)と同様にすべてボイル・シャルルの法則で立式すれば良いでしょう。

なお、mmHg から Pa への変換については次の記事も参考にしてみてください。

トリチェリの水銀柱の実験についても詳しく解説しています。

①の状態から③の状態を一気に求める際には、圧力・体積・温度のすべてが変化しているので、ボイル・シャルルの法則のみが使用可能です。

最後に①、②、③の圧力・体積・温度を下の表にまとめておきました。

圧力 P体積 V温度 T
760 mmHg200 mL300 K
760 mmHg300 mL450 K
380 mmHg600 mL450 K

いかがだったでしょうか。

2つの注意点さえ押さえておけばボイル・シャルルの法則も怖くありません!

今回は以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!