弧度法の便利な点:扇形の弧の長さと面積の公式は流れを押さえるべし!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★☆☆

今回は三角関数の大前提となる弧度法について解説したいと思います。

弧度法とは何か、何が便利なのか、覚えおくべきポイントをまとめます。

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少し説明が続きます。
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弧度法とは?

弧度法は度数法と並ぶ、角度の単位の決め方です。

度数法は1周を360°として角度を測ります。

一方、弧度法は次のように角度の単位を決めることで、角度を長さと同じ土俵で議論できるようになります。

弧度法の定義

(半径1の扇形の中心角)=(その弧の長さ)

弧度法における角度の単位は rad(ラジアン)ですが、普通は省略します。

少しややこしい定義ですが、「弧度法を使うと扇形の中心角からその弧の長さがすぐ分かる」と理解しておきましょう。

次の図で説明します。

弧度法を使うと扇形の中心角からその弧の長さがすぐわかることの説明図

左側の小さい扇形は半径1中心角 θ の扇形です。

先ほど説明した弧度法の定義より、弧の長さは中心角の大きさと一致し、θ となります。

次に一般的な扇形を考えましょう。

右側の大きな扇形が半径 r、中心角 θ の一般的な扇形です。

(もちろん r が1未満のときもあり、その場合は左側よりもさらに小さい扇形となりますが、分かりやすさのため大きい扇形で説明しています。)

2つの扇形は相似であり、右側の扇形は左側の扇形を r 倍したもの(相似比が 1 : r)なので、その弧の長さ l は θ を r 倍したものになります

【便利1】扇形の弧の長さ

このようにして、弧度法における扇形の弧の長さの公式(l = r × θ)が得られます。

しかしこの公式は、弧度法の定義さえきちんと理解しておけばある意味当たり前のことです。

公式として丸暗記するのではなく、弧度法の定義からの流れを理解して覚えておきましょう。

このように弧の長さをすぐに求めることができるのが、弧度法の便利な点の1つ目です。

弧度法と度数法の変換

さて、ここで少し脱線して弧度法と度数法の関係について説明します。

馴染み深い度数法から弧度法にスムーズに変換するために、次のことは必ず覚えておきましょう。

弧度法と度数法の変換

1周 = 360° = 2π

これは常識中の常識ですが、ちゃんと証明もできます。

次のように半径1の円の円周の長さを考え、弧度法と度数法の定義を当てはめてみましょう。

弧度法と度数法の変換についての説明図(2π = 360° の証明)

【便利2】扇形の面積

話を戻して、弧度法の便利な点の2つ目は、扇形の面積が直感的に求められるということです。

次の図で説明します。

弧度法における扇形の面積の公式は三角形の面積の公式みたい

まず、お馴染みの扇形の面積の公式を書いて、角度のところのみ弧度法で書きます。

さらに前述の弧の長さの公式を当てはめると、(半径)×(弧の長さ)÷2 というかなりシンプルな式になります。

ところで、扇形って三角形に似ていますよね。

扇形の半径を三角形の底辺と見れば弧の長さは三角形の高さと同一視できます

すると先ほどの扇形の面積の公式は三角形の面積の公式、(底辺)×(高さ)÷2、そのものです

こう考えると扇形の面積の公式が直感的に理解でき、忘れないと思います!
なお、扇形の弧の長さを三角形の底辺、半径を三角形の高さと見ても同じことです。

<メモ>
中学生(もしくは小学生)のときに、
扇形の面積は細い無数の三角形の面積の和と考えられるから、(半径)×(弧の長さ)÷2 で求められる。」
と教わったことがあるかもしれません。
上で説明した理解も実はこの考え方が基になっています。
このように、直接求めるのが困難なものを微小な部分の和と考えるのは、微分積分の考えそのものです。

弧度法のポイントまとめ

最後に今回のテーマのまとめです。

弧度法で覚えておくと役立つポイントをまとめました。

しかしここまでお話してきた通り、すべて弧度法の定義から順に導き出される事項なので、流れをきちんと理解しておくことが大事です。

その方が応用も効くと思います。

弧度法のポイント(扇形の弧の長さと面積の公式)(1)

弧度法のポイント(扇形の弧の長さと面積の公式)(2)

今回は問題演習はお休みで以上となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!