【納得!】円順列の公式の考え方と公式が使えない問題

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★☆

今回は久しぶりの数学の記事です。

場合の数で頻出の円順列について解説します。

円順列は考え方がけっこう難しく、苦手意識を感じてしまうことも多いと思います。

でもご安心ください。

本記事では公式の導出から公式が使える問題・使えない問題、さらには確率への応用まで網羅してどこよりも詳しく解説します。

なお、円順列の応用版である数珠順列については次の記事で別個に解説しています。

この記事の後に読んでいただくと効果的ですので、是非よろしくお願いします。

それでは、少し長い内容ですが、はりきって行きましょう!

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円順列とは(普通の順列との違い)

普通の順列ではいくつかのものを1列に並べます。

一方、円順列ではいくつかのものを円形に並べます。

円形にしただけで何が変わるのでしょうか。

次の例題で説明します。

例題

A、B、C、D、E の5文字を円形に並べる方法は何通りあるか。

<解説>

まず普通の順列だったらどうなるか考えてみましょう。

つまり A~E の5文字(異なる5個)を1列に並べる場合の数を計算します。

階乗の公式を使えば簡単に求められます。

「5! = 5・4・3・2・1 = 120 通り」ですね。

では次にこれら120通りの中のいくつかの配列を、円形に並べてみます。

例えば順列の「ABCDE」という配列は、下図の上段の左のように円形に並べることができます。

同様に「EABCD」という配列は上段の中央のように、「DEABC」という配列は上段の右のように、、、と並べることができます。

円順列の説明図(回転して重なるものは同じ)

ここで、よく見てみると、これら5つの円形の並べ方は同じものです。

どういうことかと言うと、例えば A から見た右隣りはどの場合も E、 左隣りはどの場合も B で、C と D の位置関係もどの場合も共通です。

言い換えると、これら5つの並べ方は回転させればピタリ重なるので同じ並べ方と言えます。

このように円順列では「回転して重なるものは同じ」とみなします。

これが円順列の肝です。

したがって同じ条件なら円順列の総数は順列の総数より少なくなります。

答えを出しておきましょう。

上図の下の方にも書きましたが、順列の5通りが円順列では1通りになる(5つの順列に対して1つの円順列がある)わけですから、順列の総数120通りを5で割って、24通りが求める答えとなります。

円順列の公式

以上のことを一般化すると「異なる n 個のものの円順列は n!/n 通り」と公式化できます。

さらに n!/n は (n-1)! と書き直せるので、「異なる n 個のものの円順列は (n-1)! 通り」となり、これが教科書などに出ている円順列の公式です。

公式として覚えておくことも大事ですが、ここまでの導出の流れを理解しておくことはもっと大切です。

そしてこの公式はもう一つの観点からも導出することができます。

「1個を固定する」のがポイント

もう一つの観点とは、「1個を固定する」という考え方です。

難しい問題に対してはこちらの考え方の方が応用がきき、有効なことが多いです。

次の図で説明します。

円順列は1個を固定するのがポイント

先ほどの例題で、A~E の5文字のうちどれか一つを選んで場所を固定してしまいます。

A~E はどれも一つずつあり対等なのでどれを選んでもOKですが、今回は無難に A を選んでみました。

A を上図の位置に固定すると、文字どおり並びが固定され、回転できなくなります。

円順列は回転が肝だったのに回転できないわけですから、もはやこれは円順列ではありません

後は B~E の4個を並べる(残りの4箇所にこの4個を入れる)ことを考えれば良く、普通の順列として扱えて「4! = 4・3・2・1 = 24通り」と同じ答えが得られます。

さて、このアプローチを一般化すると、異なる n 個のものの円順列は、どれか1個を固定して残りの (n-1) 個のものの順列を計算すれば良いので、「異なる n 個のものの円順列は (n-1)! 通り」と先ほどの公式と同じ形に結論付けられます。

以上のように円順列の「(n-1)!」の公式は2通りで理解できるので、どちらの考え方もマスターしておきましょう。

公式が使える問題に挑戦!

それではここで、円順列の公式を使うトレーニングをしてみましょう。

先ほどの例題のちょっとした応用問題に挑戦してみてください。

問題

A、B、C、D、E の5文字を円形に並べるとき、A と B が隣り合う並べ方は何通りあるか。

<解説>

場合の数・確率では、隣り合うときは隣り合うものをセットにして一つのものと考えるのが定石です。

よって A と B をセットにして一つのものとみなします。

すると AB、C、D、E の異なる4個のものの円順列ですから、公式に代入して「(4-1)! = 3・2・1 = 6通り」と計算できます。

しかしこれで終わりではありません。

セットにした A と B の並べ方も考える必要があります。

単純に「A B」と「B A」という2通り(2! 通り)の並べ方がありますので、求める答えは「6×2 = 12通り」となります。

このように、セットにしたらセット内の並べ方も考える、ということを忘れないように気を付けましょう!

公式が使えない問題に挑戦!

さて、数学の難しいところ、また嫌われてしまうところは、公式がすんなり使えない問題があるところです。

円順列の公式も例外ではなく、「(n-1)!」で簡単には計算できない発展的な問題も出題される可能性があります。

例えば次のような問題です。

問題

赤玉3個、青玉2個、白玉1個を円形に並べる方法は何通りあるか。

<解説>

何故公式が使えないのでしょうか。

理由は案外簡単で、赤玉3個、青玉2個、と同じものが含まれているからです。

円順列の公式はあくまで、円形に並べるものがすべて異なる場合にしか使えません

ではどうするか。

原点に立ち返り、公式の導出過程を考えます。

前述のとおり2つ目のアプローチ、つまり「1個を固定する」が有効です。

そこで1個しかない白玉を固定します。

すると残りの赤玉3個、青玉2個(計5個)の順列(円順列ではなく)を考えれば良いことになります。

ここで注意すべきは赤玉同士と青玉同士が区別できない(同じもの)ということです。

つまり同じものを含む順列として計算します。

同じものを含む順列には大変便利な公式がありました。

次の記事で詳しく解説していますので参考にしていただければ幸いです。

同じものを含む順列の公式がそのまま使えて、答えは「5!/(3!×2!) = 10通り」と計算できます。

分子の5が合計の玉の個数で、分母の3が赤玉の個数、2が青玉の個数です。

<メモ>
この手の問題で複数個あるものを固定するのはちょっと危険です。
1個しかないものを固定するときには発生しない、面倒な場合分けが必要になることがあるからです。

円順列の確率の問題に挑戦!

おまけでもう一つ、是非考えていただきたい問題があります。

もし、一つ上の問題が確率の問題、例えば次のような問題だったらどうでしょう。

問題

赤玉3個、青玉2個、白玉1個を円形にランダムに並べるとき、青玉2個が隣り合う確率を求めよ。

<解説>

確率では「同じものも異なるものとして扱う」という大原則があります。

つまり赤玉3個は「赤1、赤2、赤3」、青玉2個は「青1、青2」などと区別して考えます。

この確率の大原則を復習しておきたい方は、是非次の記事をご確認ください。

この原則により、すべての玉は互いに異なると考えるので、円順列の公式が適用可能です。

まず起こり得るすべての場合の数は円順列の公式より「{(3+2+1)-1}! = 5! 通り」となります。

(あえて計算しないでおく方が良いでしょう。あとで約分できそうなので。)

次に隣り合う青2個、つまり青1と青2をセットと考え、異なる5個のもの(赤1、赤2、赤3、青セット、白)の円順列を考えると、「(5-1)! = 4! 通り」となります。

そして上で注意したようにセット内の並べ方が2通り(青1 青2、青2 青1)あることを忘れないようにします。

以上のことから求める確率は「(2×4!)/5! = 2/5」となります。

<別解>

公式を使わずに「1個を固定」して解き進めるのももちろんアリです。

この場合ももちろん、確率の大原則「すべてのものを区別する」は適用されます。

1個しかない白玉を固定してしまえば、後は「赤1、赤2、赤3」と「青1、青2」の順列(円順列ではなく)に帰着できます。

まず、起こり得るすべての場合の数は 5! 通りです(赤同士、青同士は同じものではないので、同じものを含む順列の公式は不要です)。

次にこの中で青2つが隣り合う場合の数は青2つをセットにして「赤1、赤2、赤3、青1青2」の異なる4個の順列について、セット内の並べ方も考慮して、2×4! 通りとなります。

よって求める確率は「(2×4!)/5! = 2/5」となり、先ほどの解答と同じ結果になります。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました!

最後に今回のテーマのまとめです。

円順列の公式は便利ですが、同じものを含む場合など、使えないこともあるので要注意です。

そんなときは「1個を固定する」ことが強力な武器になります。

以上のことを次のように単語カードにまとめてみましたので、適宜ご利用ください。

円順列のポイントのまとめ(1)

円順列のポイントのまとめ(2)

今回はここまでです。

また当ブログの他の記事でお会いしましょう!