平方完成で分数が係数のときの注意点!裏ワザも紹介!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

今回は二次関数のはじめの一歩である平方完成について、特に分数でくくるパターンの解説をします。

普通の平方完成は余裕で出来ていても、分数が出てくると混乱してしまう学生は意外と多いです。

また、テスト中などでテンパっていると、分数でくくるときに何かとケアレスミスをしがちなんですよね。。。

ミスしそうな不安を一掃する記事ですので、是非最後まで読んでみてください。

少し長い記事なので、下の目次からお目当てのところにジャンプしていただいても構いません。

最後には便利な裏ワザも紹介します!

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そもそも平方完成って何のためにするの?

そもそも平方完成は何のためにするのでしょうか。

「そんな簡単なこと今更聞くなよ!」という方も少々お付き合いください。

意外に意識できていないことも多いので、確認していきましょう。

まず、二次関数の一般的な形である次の式から、計算せずにすぐ分かることは何でしょうか。

二次関数の式から分かること(1)

この形の式から分かることは実はあまり多くありません。

<平方完成前に分かること>
. a の値が正か負かで、下に凸か上に凸かが分かる。
. a の値の大きさで放物線のグラフの開き具合が分かる。
. y切片が c と分かる。

これくらいでしょうか。

頂点の座標が分からないため、この形の式からでは基本的にグラフを描くことができません。

そこで、平方完成することにより次の形に変形できます。

平方完成後の二次関数の式から分かること

この形にすると、すぐに次のことが分かります。

<平方完成後に分かること>
A. a の値が正か負かで、下に凸か上に凸かが分かる。
B. a の値の大きさで放物線のグラフの開き具合が分かる。
C. 頂点の座標が(p, q)と分かる。
D. 軸が x = p と分かる。

この形に変形出来てはじめて、頂点と軸が分かるのでグラフが描けるのです。

よって平方完成は二次関数の頂点と軸を把握するために行うといえます。

二次関数のグラフを描くためには…

ここで一つ注意点です。

平方完成前後で分かる項目を見比べてみると、「あ と A:下に凸か上に凸か」と「い と B:放物線の開き具合」は共通です。

つまりどちらの形の式からも分かることです。

「C と D:頂点と軸」 は平方完成してはじめて分かることですが、平方完成すると逆に「う:y切片」が分からなくなってしまいます

もちろん平方完成後の式に x = 0 を代入すれば分かりますが、今は式を見るだけで計算なしに分かることについて述べています。

以上の議論より、二次関数を平方完成によって分析する際のポイント・注意点として、次のことが言えます。

POINT

平方完成前に y切片をチェックし、平方完成して頂点と軸をチェックする!

二次関数の放物線のグラフを書くときは、頂点(と軸)及び y切片をチェックする必要があるので、このことを常に意識しておきましょう!

基本的な平方完成の解き方

さて、平方完成の意義は分かりましたので、具体的なやり方を丁寧に説明していきます。

平方完成の計算方法は、教科書や参考書には次のように書いてあることでしょう。

一般的な平方完成のやり方

数式を示して「こうやるんですよー。」というのは簡単ですが、式変形の内容をしっかり理解することが重要です。

そこで上図内に示した平方完成の式変形 4 ステップについて、それぞれ「言葉」で説明します。

<平方完成の手順>
Step 1:x の2乗の係数 a で定数項以外をくくる。
Step 2:かっこ内で、x の1乗の係数の、半分の2乗を足して引く。
Step 3:引いた分を、a をかけてかっこの外に出す。
Step 4:頂点、軸が分かるように式を整える。

このように、「言葉」で式変形の具体的なやり方を覚えておくと、かなりケアレスミスが減ります

テスト中など焦っているときでも、覚えた「言葉」を頭の中で復唱しつつ冷静に式変形を行えばよいのです。

騙されたと思って、このように平方完成を「言葉」で覚えてみてください。

さて、これら 4 ステップそれぞれについて、少しコメントさせてください。

<Step 1 での注意点>

まず、Step 1 では定数項はくくらないので注意です。

また、ここで x の2乗の係数が分数だと混乱しやすくなります。

後で、間違えない方法を詳しく説明します。

最後に、x の2乗にマイナスが付いている場合は ± のミスに注意しましょう。

<Step 2 での注意点>

次に、Step 2 ですが、「半分の2乗」ということをしっかり覚えておきましょう。

何を足して引くのか忘れてしまうと途方に暮れることになりますので。

また、x の1乗の係数にマイナスが付いていても気にする必要はありません。

どうせ 2乗してしまうのでマイナスは消えます。

最後の Step 4 で因数分解の公式の ± が逆になるだけです。

<Step 3 での注意点>

続いて Step 3 ですが、Step 2 でつじつま合わせのために引いた分をかっこの中から外に出す際は、Step 1 でくくった数(x の2乗の係数)をかけることを忘れないようにしましょう。

ここでもマイナスでくくっていた場合は ± に要注意です。

平方完成に限らず、「かっこの外に出すときは、かっこの係数をかける」を肝に銘じておきましょう。

<Step 4 での注意点>

最後に Step 4です。

x が絡む部分は因数分解の公式を用いてまとめ、定数項部分は見やすく整理するだけです。

が、最後に集中と緊張の糸が途切れて、意外にケアレスミスをしがちです。

最後まで気を抜かず、文字通り平方完成を完成させましょう。

また、時間に余裕があるときは、平方完成してできた式を展開して元の式に戻るかを確認しましょう!

ここまで一般的な平方完成のやり方を説明してきました。
ではいよいよ分数と遭遇したときの注意点について述べていきます。

x の2乗の係数が分数のときに注意すべきこと

x の2乗が分数の場合、上で説明した Step 1~4の計算が煩雑になり、ミスが出がちです。

出題する側もそれが分かっていて、わざと分数を含む式を出題してきます。

う~ん、憎たらしい!
そんな出題者たちに負けないように、Step 1~4 について何に注意すべきか、例も交えて強調しますね。

<Step 1 で注意すべき点>

そもそもくくるとは、くくる数で割ってかっこ内に入れることです。

なので、(Step 3 のように)かっこの外に出すときは反対に「かける」のです。

分数でくくり出すのが苦手な人は、「くくるときはその分数で割る、つまりその分数の逆数をかける」という風に考えてみてください。

平方完成で分数でくくるときの注意点(1)

また、くくった後に、展開してちゃんと元の式にもどるかを確認すると、ミスを減らせますよ!

<Step 2 で注意すべき点>

このステップでは x の1乗の係数の半分の2乗を足して引くのでした。

「半分」はもちろん 1/2 することなので、分母に 2 をかけて 2乗すれば OK です。

また、約分できるときは積極的に約分して式を簡素化していきましょう。

平方完成で分数でくくるときの注意点(2)

<Step 3 で注意すべき点>

Step 2 でつじつま合わせのために引いた分をかっこの外へと出します。

ここで、下図のようにプラスマイナスの計算は先にやり、ミスをしないように気を付けましょう。

また、好みによりますが、2乗の計算は最後までとっておくのがオススメです。

平方完成で分数でくくるときの注意点(3)

<Step 4 で注意すべき点>

最後は気を抜かずに仕上げるだけです。

因数分解の公式の利用、定数項の整理にミスのないようにしましょう。

平方完成で分数でくくるときの注意点(4)

計算結果が不安なとき、また時間に余裕があるときは、平方完成してできた式を展開して元の式に戻るかを確認しましょう!

問題に挑戦

ここまで読んでいただきありがとうございます。

しつこいくらいに丁寧に解説したつもりですが、いかがだったでしょうか。

ここで例題に挑戦して、ミスなく分数の平方完成ができるか確認しましょう!

分数でくくって平方完成する例題

x の2乗の係数が 1/2 ですので、分数でくくることになります。

それほど複雑な例ではありませんが、是非一度紙に書いて解いて、ここまでの注意点を思い出してみてください。

解答は次の通りです。

<解答>

分数でくくって平方完成する例題の解答

平方完成時に分数を消しちゃう裏ワザ!

ここまで真面目に、分数でくくってミスのないよう慎重に平方完成する方法を説明してきましたが、実は平方完成時に分数を消してしまう裏ワザがあります。

ちなみにこの裏ワザは x の2乗の係数にミスを誘発するマイナスがある場合にも有効で、計算中はマイナスを消してしまうことができます

裏ワザといっても簡単な話です。

x の2乗の係数がくくりやすい正の数になるように、両辺に同じ数をかければよいのです。

先ほどの例題で説明しますね。

平方完成の裏ワザを使った別解

このように、はじめに両辺に、x の2乗の係数の逆数である(x の2乗の係数をシンプルにする) 2 を書けてしまえば、右辺の平方完成は超簡単になります。

一応わざとステップ分けして解いていますが、正直暗算でできるレベルです。

そして最後に、右辺を「y = 」に戻すために、両辺を 2 で割っています。

つまり最後に、最初の演算の逆を行います。

※これを忘れないように注意!!!

いかがでしょうか。

ちょっとした発想の転換で平方完成がぐっと楽になる裏ワザでした。

正攻法でも裏ワザでも、解ければ問題ないので、ご自身になじむ方法を選択していただければと思います。

また、問題によっても裏ワザの向き不向きがあるので、状況に応じて使い分けると良いと思います。

まとめ

ここまでお疲れさまでした。

最後に本テーマのまとめをいつも通り単語カードに書いておきます。

適宜ご活用いただき、皆さんの参考になれば幸いです。

平方完成で分数でくくるパターンの注意点のまとめ(1)

平方完成で分数でくくるパターンの注意点のまとめ(2)

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後とも当ブログをよろしくお願いします。