整式の割り算のたった2つのポイント:剰余の定理・因数定理よりも大切なこと

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

整式の割り算は筆算で延々と面倒くさい計算をするイメージが強く、苦手意識を持っている方も多いはず。

そこで救いになるのが「整式を1次式で割った余り」に関する剰余の定理因数定理です。

ですが、整式の割り算で本当に押さえておくべき必要十分なポイントは、実はもっと単純なことなのです。

今回は簡単なポイント2つを説明してまとめた後、標準題を解いてみたいと思います!

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割り算の原理

整式の割り算のポイントの1つ目は、割り算の原理を式にすることです。

割り算の原理、といっても全く難しいことではありません。

例えば簡単な普通の割り算を考えてみましょう。

13を3で割ったときの商は4で余りは1です。

これを式にすると次のようになります。

割り算の原理の説明(簡単な例)

この、割られる数・割る数・商・余りの関係を割り算の原理と言います。

この関係式は整式の割り算にも当てはまり、次の通りです。

POINT

(割られる式)=(割る式)×(商)+(余り)

整式の割り算の問題ではこの式を立てることがまず大切です。

<メモ>
この等式は恒等式になります。
よって、変数に何を代入しても成立します。
これが剰余の定理因数定理の根本です。

剰余の定理と因数定理については後述します。

割る式と余りの関係

割り算の原理の式において、もう一つ重要なポイントがあります。

普通の割り算をするとき、余りが割る数よりも小さくなるまで行いますよね。

先の例では、余りの1は割る数の3より小さいです。

整式の割り算でも同じようなことが言えます。

割り算を筆算で行うときのことを想像してみてください。

筆算は割る式で割れなくなるまで行いますよね。

割れなくなるのは、余りの次数が割る式の次数よりも低くなったときです。

よって次のことが言えます。

POINT

余りは割る式の次数よりも低次数の式となる。

余りの式を文字で置くときにこのことを利用します。
後の例題で確認しましょう。

整式の割り算のポイントまとめ

ここでまとめです。

整式の割り算のポイントは「余りの原理を立式すること」と「余りを割る式より低次数で置くこと」でした。

次の単語カードのようにまとめておくと覚えやすいと思いますので、是非ご活用ください。

整式の割り算のポイント(割り算の原理、余りを割る式よりも低次数の式で置くこと)(1)

整式の割り算のポイント(割り算の原理、余りを割る式よりも低次数の式で置くこと)(2)

問題に挑戦!

それでは今回のポイントを使って解く問題を紹介します。

整式の割り算の例題

<解答>

整式の割り算の例題の解答(割り算のポイント2つの適用)

まずは問題文の条件2つを割り算の原理で式にします。

商(g1(x)、g2(x))の式は不明ですが、それが消えるように x の値を代入すれば①式と②式が得られます。

次に2つ目のポイントの通り、x の2次式で割った余りは x の1次式(以下)になるので③式のように余りが文字で置けます。

①式および②式を③式に代入すれば、a、b に関する連立方程式が得られるので、これを解けばフィニッシュです。

剰余の定理と因数定理

さて、上記の解答中で割り算の原理の式に商が消えるように x の値を代入しました。

①式をつくる操作は剰余の定理(余りがある場合)と呼ばれ、②式をつくる操作は因数定理(割り切れる場合)と呼ばれます。

一応次のように単語カードにまとめておきますが、あくまでこれらは割り算の「原理」から導き出される「定理」なので、重要度は低いです。

むしろ上記回答のように、その都度割り算の原理を立式し、式をよく見て解答の方針を吟味することが大事です。

剰余の定理と因数定理のまとめ(1)

剰余の定理と因数定理のまとめ(2)

今回は以上です。

割り算の原理と余りの置き方をマスターして、整式の割り算を得意にしちゃいましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました!