電位、電位差、電圧とは:定義と求め方、そして V = Ed の式

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

今回の記事では電位電位差電圧といった用語を解説します。

これらは電磁気の基礎の部分ではありますが、何かと紛らわしい、かつイメージしにくい用語なので、電磁気嫌いを生み出す元凶とも言えます。

注意点に気を付けながら定義・求め方・ポイントを正確に押さえることで、不安を払拭しておきましょう。

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電位の定義と単位

電位とは荷がもつ置エネルギーのことです。

+1 C の点電荷を置いたときにその点電荷がもつ静電気力による位置エネルギー(静電エネルギーと言います)が電位 φ(ファイ)と定義されています。

位置エネルギーの単位はジュール [J] ですから、電位の単位は [J/C] となり、これにボルト [V] と名前が付いています。

そしてこの定義から、電位 φ [V] の位置に電荷 q [C] の点電荷が置いてあるとき、その点電荷がもつ位置エネルギーは U = qφ [J] となります。

電位の定義と基本的な求め方

電位のこの定義は、電場の定義の「力」を「位置エネルギー」に置き換えただけのものです。

よって電位の定義は電場の定義と併せて覚えておきましょう。

電場のいろはについては次の記事をご参照ください。

電位の求め方

電位の基本的な求め方はこれまた電場の場合と同様です。

電位の定義は「+1 C の点電荷がもつ位置エネルギー」でしたから、ある位置の電位を求めたいときは、その位置に +1 C の点電荷を置いてその点電荷がもつ位置エネルギーを計算します。

【注意】電位はスカラー量だから足し引き簡単

そのときに注意すべきは、電位はエネルギーなのでスカラー量だということです。

電場を求める場合は +1 C の点電荷が受ける力を調べますが、合力を求めるときにベクトルの足し算や引き算が必要になることがあります。

力はベクトル量だからです。

一方電位を求める場合は、位置エネルギーが複数の要因からなる場合でも、それらの足し引きにベクトル計算は出てこないので簡単です。

問題に挑戦!

それではここで、電位の定義や求め方を実際の問題で確認してみましょう。

よくある、点電荷がつくる電位を求める問題です。

問題

xy平面上の点(0, L [m])に正の点電荷A(+2Q [C])が、点(0, -L [m])に負の点電荷B(-Q [C])が置かれている。
点C(L [m], 0)における電位 [V] を求めよ。
ただしクーロンの法則の比例定数は k [N・m^2/C^2] とする。

<解説>

はじめに図を描いて状況を整理しましょう。

方針は簡単、点Cの電位を求めたいので点Cに +1 C の点電荷を置きます

点Cの電位は点電荷Aがつくる電位と点電荷Bがつくる電位の和です。

前述のとおり電位はスカラー量なので両者をただ単に足すだけでOKです。

各電荷がつくる電位はクーロン力による位置エネルギーの公式を利用することで求められます。

位置エネルギーのバージョンは分母が距離の1乗(力の場合は2乗)です。

点電荷間の距離を三平方の定理で求めたら、電荷と距離を公式に代入します。

このとき電荷は正負も含めて代入することに注意しましょう。

以下の図が模範解答です。

点電荷がつくる電位を求める例題の解答

電位差が電圧

次に電圧について解説します。

電位よりも電圧の方がポピュラーな用語だと思いますが、何を隠そう電圧とは電位差のことです。

なので電位がきちんと分かっていれば電圧は何てことはありません。

2点間の電圧を求めよ、と言われれば2点間の電位の差をとれば良いということです。

<メモ>
位置エネルギーと仕事の関係性を適用すれば、電位差(電圧)は +1 C の点電荷を電位の低い方から高い方へ移動させるのに必要な仕事、とも言えます。

一様な電場と電圧

電圧について「電位差 = 電圧」の他に知っておくべきことがあります。

それは一様な電場と電圧の関係です。

(一定の向き、一定の大きさの電場のことを一様(な)電場と言います。)

次の図で重力場と関連付けて説明します。

一様電場と電圧(重力場との比較)

ある距離 d [m] 隔てた2点間に一様な電場 E [N/C] があるとき、その中で点電荷 q [C] が受ける力は qE [N] で一定です。

この2点間の位置エネルギーの差、そして電圧はどのような式で表されるでしょうか。

全く同じ設定を重力場で考えて応用します。

つまり距離 d を高さ h [m] に、電場 E を重力加速度 g [m/s^2 = N/kg] に、点電荷の電荷 q を物体の質量 m [kg] に置き換えます。

すると物体が受ける力は mg [N] で一定で、2点間の位置エネルギーの差は mgh [J] と求められますよね。

ということは逆に変換すれば、電場の場合の2点間の位置エネルギーの差は qEd [J] となります。

そして電位は +1 C の点電荷の位置エネルギーのことでしたから、電圧も +1 C が基準です。

そこで最後に q = +1 C とすれば、「V = Ed」と結論付けられます。

この関係式はコンデンサーのところでも出てきますし、非常に重要な関係式と言えます。

必ず押さえておきましょう。

<注意>
図からも分かるとおり、電場の向きは電位の高い方から低い方となります。
このことも忘れずに覚えておきましょう!

まとめ

ここまでお疲れさまでした。

最後にまとめです。

電位の定義と求め方は電場の場合とそっくりなので一緒に覚えておきましょう。

唯一の違いは電位はエネルギーなのでスカラー量、計算が楽で助かるということです。

そして一様な電場と電圧の関係式、「V = Ed」もマストです。

ということで今回は次のようにポイントを単語カードにまとめておきます。

電位と電位差(電圧)の要点まとめ(1)

電位と電位差(電圧)の要点まとめ(2)

今回は以上です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!