等加速度直線運動の公式を使いこなそう!(分かりやすい微積の導出付き)

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★☆

今日は力学の最初の難関である等加速度直線運動の公式を取り上げます。

名前は長いし、公式は覚えづらいしで、苦手な方も多いはず。

本投稿では、はじめに微積をちょびっと使って公式を導出します。

その後いつものように例題に挑戦してみましょう。

微積を使った導出は高校物理の範囲を少し超えてしまうかもしれませんが、数学の勉強にもなりますので、一見の価値ありです。

分かりやすくシンプルに解説しますのでご心配なく。

ただその分、若干正確性が失われてしまうところがありますがご容赦ください。

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そもそも等加速度直線運動って?

その名のとおり、一直線上での加速度一定の運動のこと指します。

一直線上での運動なので、運動の方向として x軸のみを考えます。

等加速度直線運動のイメージ図

一般に物体の運動を把握するには、時刻 t の関数として、運動に必須の三要素である位置 x 、速度 v 、加速度 a を計算します。

等加速度直線運動の場合は加速度 a が時刻 t に依存せず一定なので、この一定の加速度 a から時刻 t の関数である速度 v と位置 x を求めます。

位置、速度、加速度の関係を微積で知っておこう!

では、位置 x 、速度 v は加速度 a からどうやって求められるのでしょうか。

それには、下図に示したこれら三つの物理量の定義を使います。

位置と速度と加速度の定義

位置 x を時刻 t で微分したものが速度 v、速度 v を時刻 t で微分したものが加速度 a です。

微分と積分は逆の数学的演算なので、加速度 a を時刻 t で積分すれば速度 v を、速度 v を時刻 t で積分すれば位置 x を求められます

※これは定義なので、「何故?」と疑問を持つ必要はありません。

実際に微積を使って公式を求めてみよう!

では実際に加速度 a を積分していって、速度 v と位置 x の式を求めてみましょう。

数学IIIで学習する不定積分を使います。

不定積分では積分定数が出てくるので、それを初期条件( t = 0 のときの位置や速度の条件)で消します。

加速度の積分は定数の積分、速度の積分は t の一次式の積分なので、容易に計算できます。

等加速度直線運動の公式の導出

等加速度直線運動の公式を使うときの注意点

このように導出できた等加速度直線運動の公式ですが、使う際の注意点をいくつか挙げておきます。

<1>

はじめに x軸の正方向を定める

<2>

位置 x 、速度 v 、加速度 a はベクトル量なので向き(正負)があることに注意する

<3>

導出した位置 x の式は変位 Δx を表す式ではないので注意、初期位置 x0 を忘れないようにする

1と2について、位置 x 、速度 v 、加速度 a はベクトル量なので向きがあります。

定めた x軸と同じ向きなら正、逆向きなら負の値になるので要注意です。

3について、教科書や参考書では、初期位置 x0 が抜けた式を紹介している場合がほとんどですが、それは初期位置 x0 からの位置の変化、つまり変位 Δx を表す式なので、混同しないように注意してください。

ただ、x軸の原点が初期位置 x0 になる場合、つまり x0 = 0 の場合も多く、その場合は位置 x の式と変位 Δx の式が一致します。

これらの注意事項は例題の解説の中でも触れていきたいと思います。

等加速度直線運動の公式をまとめておこう

ではここまでの内容をまとめます。

等加速度直線運動の公式と使うときの注意点

等加速度直線運動の公式と使うときの注意点の詳細

問題に挑戦!

最後に等加速度直線運動の公式を用いた次の例題にチャレンジしてみてください。

等加速度直線運動の公式を用いる例題

解答はこちら

物理では必ず図を描いて状況をイメージしましょう。

等加速度直線運動の公式を用いる例題の解答解説

解答中でも注意書きをして強調しましたが、未知数は正の値として仮定します。

今回の例では、加速度は負方向に生じるとすぐに予想できますが、あくまで正と仮定として計算します。

計算結果が負になって、「予想通りで正しそうだな」と安心するのです。

※今回は v0 と t1 が両方正なので、a は負となります。たまに、見かけ上マイナスが付いていても、後ろに続く文字の中に負のものがあり、全体で正になる場合もありますので、注意しましょう。

もう少しラクな解き方は次回紹介!

いかがだったでしょうか。

今回は等加速度直線運動の公式の導出と使い方を説明しました。

是非使いこなせるようになっていただきたいと思います。

そして、実は等加速度直線運動の問題にはもう少しラクな解き方があります。
次回の投稿で紹介しますのでお楽しみに。