気体の捕集法の覚え方:水上・上方・下方置換法のメリット、デメリット、具体例

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★☆☆

今回は気体の捕集法についてのまとめ記事です。

水上上方下方置換法について、それぞれの捕集法がどのような性質の気体に適しているか、具体例も示しながら解説していきます。

またそれぞれの捕集法のメリット・デメリットについても触れます。

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水上置換法

水上置換法は逆さにして水で満たした容器内に気体を集める方法です。

気体が集まるにつれて水が押し出され、やがて容器が気体で満たされます。

メリット・デメリット

水上置換法のメリットは主に2つあります。

1つ目は他の捕集法と比べて比較的純粋な気体が集められるという点です。

はじめに容器内を水で満たしているので、目的外の気体、特に空気の混入が抑えられます。

2つ目はどれくらいの気体を捕集できたか、(容器内の水面を見れば)目で見て確認できるという点です。

容器に目盛りが付いていれば大体の体積を見積もることができますし、捕集の完了時もすぐ分かります。

次に水上置換法のデメリットは、容器内に目的気体の他に水蒸気がごく少量含まれてしまうという点です。

なので目的気体の純度をさらに高めるためには追加で乾燥操作が必要になります。

ここで、受験で問われる乾燥剤一覧については次の記事を参考にしていただければ幸いです。

なお(水上置換法に限らず)そもそも気体を発生させる際に水蒸気が含まれるケースはけっこうあります。

例えば水溶液の加熱を伴う発生法では得てして水蒸気が含まれます。

どのような気体が適しているか

水上置換法では気体と水が常に接しているわけですから、水に溶けやすい気体は NG です。

逆に言えば「水に少し溶ける」くらいの気体なら水上置換法で捕集できます。

メリットが大きいので、できれば水上置換法を選択したいところです。

以上のことから、水に溶けにくい気体である水素、酸素、窒素、一酸化炭素、一酸化窒素などは水上置換法での捕集に適していますし、水に少し溶ける二酸化炭素なども捕集可能です。

上方置換法

上方置換法は空気中で逆さにした容器内に気体を集める方法です。

空気より軽い気体を集めることができます。

メリット・デメリット

上方置換法にこれといったメリットはありません。

後述のとおり水に溶けやすく空気より軽いアンモニアを捕集できる、という点くらいです。

次にデメリットですが、2つあります。

上方置換法は空気中で行う捕集法なので、目的気体への空気の混入(純度低下)は避けられません。

また無色透明の気体を捕集する場合は空気との区別がつかないので捕集した量が分かりづらいです。

アンモニアのみが適している

前述のとおり気体の捕集法は可能ならば水上置換法がベストなので、「水に溶けやすい」気体についてのみ上方か下方か迷うことになります。

その上で、上方置換法の対象になるのは「空気より軽い」気体となります。

この2つの条件を満たす気体はアンモニアのみです。

下方置換法

下方置換法は空気中に(逆さでなく)普通に置いた容器内に気体を集める方法です。

空気より重い気体を集めることができます。

メリット・デメリット

下方置換法にもこれといったメリットはありません。

強いて言うなら水に溶けやすく空気より重い気体を捕集できるといったところでしょうか。

またデメリットも上方置換法と同様です。

つまり「空気の混入(純度低下)」と「捕集した量が分かりづらい」という2点です。

どのような気体が適しているか

水に溶けやすく空気より重い気体が下方置換法のターゲットです。

つまり水上置換法でも上方置換法でも集められない気体ということになります。

代表例は塩化水素、硫化水素、二酸化窒素、二酸化硫黄などです。

まとめ

最後に今回のまとめです。

気体の捕集法で一番大切なのは、気体が与えられたときに適した捕集法が答えられることです。

次の単語カードのように YES/NO のフロー図で押さえておくのも面白いのではないでしょうか。

気体の捕集法のまとめ(水上、上方、下方置換)(1)

気体の捕集法のまとめ(水上、上方、下方置換)(2)

今回は簡単ですがここまでです。

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます!