電気力線のルールと注意点:向きと本数で電場を見ることができる!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★☆☆☆

今回は電場を視覚的に理解するためのツールである、電気力線について解説します。

なお、電場について不安な方は前回の記事も併せてご確認ください。

電気力線については、まずはそのルールを正確に押さえておくことが大切です。

2つのルールと注意点を詳しく説明した後、ちょっとしたクイズも用意しています。

是非最後までお付き合いください。

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電気力線のルール

電気力線でんきりきせん)は電場の様子を図示したもので、目に見えない電場を視覚的に捉えることができます。

電気力線の描画には2つのルールがあります。

あくまでルールなので疑問を持つ必要はありません。

「このように定めたら電場をイメージしやすいよね」ってことで定められた決まりなのです。

次の図をご覧になりながら後の説明をお読みください。

電気力線のルール(向きと本数)

①(接線の)向きが電場の向き

電気力線は矢印で描かれますが、直線の場合はその向きがそのまま電場の向きになります。

直感的に理解しやすいですよね。

また、電気力線が曲線の場合は、曲線上の各点における接線の向きがその位置の電場の向きになります。

いつも直線とは限らないので、このこともきちんと押さえておきましょう。

②本数が電場の強さ

電場の向きはもちろんのこと、電場の強さも読み取れるのが電気力線の優れているところです。

単位面積(1平方メートル)を垂直に貫く電気力線の本数がその位置の電場の強さになります。

つまり、電気力線が混み合っているところほど電場が強いと言えます。

ここで、単位面積は仮想的に設置していることに注意してください。

「ある位置の電場の強さを知りたい」→「その位置に単位面積を考える」→「垂直に貫いている電気力線の本数を数えればそれが電場の強さ」

という感じで、電気力線の本数を数える範囲として、単位面積を切り取っているだけです。

【メモ】[本]→[N/C] 

「本数を強さに変換する」というのは、実は少し不思議な操作です。

何故なら数字は同じままで、[本] という単位が全く異なる単位である [N/C](電場の単位)に変換されるのですから。

※「本」や「個」は日本固有の単位で、英語にはありません。

例えば単位面積を「3本」の電気力線が垂直に貫いていたら、電場の強さは「3 N/C」 になります。

(実際は(普通は)電気力線の本数は膨大な数になり、整数である必要もありません。)

【参考】斜めに貫くときは?

電場の強さは単位面積を垂直に貫く電気力線の本数ですが、電気力線が単位面積を斜めに貫いているときはどうするのでしょうか。

そういうときは、電気力線の単位面積に垂直な成分の本数を数えればOKです。

実用上は、斜めに貫いている電気力線の本数を数えて、それに cosθ( θ は単位面積の法線と電気力線のなす角)をかけることで、垂直に貫いている本数に換算します。

次の図でご確認ください。

電気力線が単位面積を斜めに貫いている場合

問題に挑戦!

以上が電気力線の2つのルールです。

これらから電気力線の性質がいくつか導かれるのですが、代表的なものをクイズ形式で出題します。

簡単かもしれませんが、ちょっと考えてみてください。

問題

かっこ内の正しい選択肢を選べ。
1. 電気力線は負電荷(から出る/に入る)。
2. 電気力線は枝分かれ(する/しない)。
3. 電気力線は(交わる/交わらない)。

<解答>

1. 電気力線は負電荷に入る

電気力線は電場を図示したものでした。

電場の定義は「+1 C の点電荷が受ける力」(冒頭で紹介した前回の記事をご参照ください)なので、負電荷の近くに +1 C の点電荷を置くことを考えてみてください。

クーロンの法則より点電荷には引力が働くので、電場の向きは負電荷に向かう向きです。

よって電気力線は負電荷に入る向きになります。

なお、同じ要領で電気力線は正電荷から出ます

2. 電気力線は枝分かれしない

電気力線が枝分かれしてしまうと、枝分かれ位置での電場の向きが一方向に定まらなくなります。

3. 電気力線は交わらない

2番と同じ原理です。

まとめ、そして次回は…

ここまで読んでいただきありがとうございました。

今回の単語カードのまとめは次のとおりです。

電気力線のルールのまとめ(1)

電気力線のルールのまとめ(2)

電気力線のルールや性質を一通り見てきましたが、電気力線関連で一番大切な事項である、「ガウスの法則」をあえて今回は取り上げませんでした。

こちらについては次回の記事で、導出や例題と共にしっかり解説したいと思います。

ということで次回も是非よろしくお願いします!