「1次独立なので」は絶対必要!その意味と使い方を例題で確認しておこう!

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★☆

今回はベクトルの1次独立について解説します。

ベクトルの問題で解答の締めに「1次独立なので」と書くときがありますよね。

実はこの文言は非常に重要で、書くべきときに書いていないと減点対象にもなり得ます。

1次独立とは何か、そして「1次独立なので」はどういったときに書くのか、この記事でご確認いただければと思います。

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1次独立とは

まずはじめに1次独立という言葉の意味を確認しましょう。

2つのベクトルがどちらも零ベクトルでなく、かつ互いに平行でないとき、2つのベクトルは1次独立であると言います。

1次独立とは(説明図)

1次独立な2つのベクトルの実数倍の和で表す

1次独立な2つのベクトルを用いると、同一平面上のすべてのベクトルは、この2つのベクトルの実数倍の和として、ただ1通りに表すことができます。

次の図をご覧ください。

1次独立な2つのベクトルが見えない座標軸をつくるイメージ図

このように始点を原点のように考えて、2つのベクトルの延長線が2本の軸をつくるイメージを持つと良いでしょう。

慣れ親しんだxy座標平面と同じように見えてきたらこっちのものです。

xy座標平面上に2つとして同じ座標の点がないように、1次独立な2つのベクトルも任意のベクトルを1通りで表します。

「1次独立なので」を使うタイミング

そしてこの「1通りで表す」というのが肝です。

「1次独立ならば」の使い方の説明図

あるベクトルを求めたい、つまり基準となる2つのベクトルで表したいとき、この2つのベクトルが1次独立ならば、求めたいベクトルはこの2つのベクトルで必ず1通りに表されます。

このことを逆手にとり、異なる2つの条件から s や t などの変数を用いて求めたいベクトルを2通りで表せば、実際の表し方は1通りのはずですから、2つの表し方は一致するはずです。

なので2つの表し方について各ベクトルの係数を比較し、 st の連立方程式に持ち込むことができます。

このようにできるのは1次独立という根拠があるからであり、このような手法をとるときに「1次独立なので」と一言添えるわけです。

この根拠が抜けるのはあまりよろしくありませんので、2通りで表してから係数を比較するときにはこの文言を忘れないようにしましょう。

問題に挑戦!

それでは実際の例題で、この「1次独立なので」の使い方を確認しましょう。

お時間がある方は、まずご自身で答えを出してみてくださいね。

1次独立に関する例題

<解説>

問題の解き方とは直接関係しませんが、最初に1つアドバイスをさせてください。

はじめに図を描くと思いますが、このとき特別な図は描かないようにしましょう

例えば今回は三角形の問題ですが、特別な三角形、具体的には正三角形、直角三角形、二等辺三角形などは描かないようにしましょう。

特別な図形を描いて眺めていると、一般の場合には成り立たないような図形的解釈が頭についてしまい、思考が邪魔される恐れがあります。

今回のような比較的簡単な問題ならそれほど影響はないですが、複雑な設定の問題になればなるほど、ひらめきを求めて図形的なアプローチに頼ることがあります。

そのときに誤った印象を与えられないように、「特別な図は描かない」ということを是非日頃から意識してみてください。

さて本題に入ります。

問題の状況を図に描いて P の位置を把握したら、OPベクトル を2通りで表すことを考えます。

P は BC 上、そして AD 上にありますから、この2つの事実を条件と捉えて式にします。

点が線分上にある条件は、内分点の公式もしくは直線のベクトル方程式を利用して、下図の解答(前半)のように式にできます。

1次独立に関する例題の解答

そしていよいよ「1次独立なので」の出番です。

OAベクトル と OBベクトル は三角形の2辺を構成するベクトルなので1次独立です。

よって先の2つの式の各ベクトルの係数は一致するはずです。

このことから係数比較で連立方程式をつくって、s と t の値を求めれば終了となります。

以下の解答(後半)を見てください。

1次独立に関する例題の解答の続き

【補足】1次独立なことの証明

まとめに入る前に1つ補足をします。

この問題では OAベクトル と OBベクトル が1次独立なことは明らかです。

ですが、もし対象とする2つのベクトルが1次独立であることが明らかでない場合は、まずはそれを証明しなければなりません。

2つのベクトルが1次独立なことの証明はそれほど難しくありません。

はじめに紹介した「零ベクトルでない」と「平行でない」を示せばOKです。

前者は普通は明らかなので、大事なのは後者です。

前回、2つのベクトルが平行である条件を紹介しました。

この平行条件を満たさないことを示せば、平行でないことの証明になります。

まとめ

最後に今回のテーマのおさらいです。

1次独立の意味と利用方法を次の単語カードのようにまとめてみました。

適宜ご活用ください。

1次独立の意味と使い方(1)

1次独立の意味と使い方(2)

今回は以上となります。

最後まで読んでくださりありがとうございました!