縦波と横波の違いとポイントが絶対分かる解説

難易度:★★☆☆
頻出度:★★☆☆

今回は物理の波動分野の中から、「縦波横波」を解説します。

はじめに少しネタバレです。

横波はいわゆる普通の波なので、あまり難しく考える必要はないです。

一方、縦波は少しイメージしづらいので、グラフの読み取りや疎密の判断方法などをしっかり理解しておく必要があります。

本記事でも特に縦波に力を入れて丁寧に解説していきますね。
でもまずは簡単な横波から。

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横波の定義と具体例

横波の定義は、

伝わる方向と媒質の振動方向が垂直な波

です。

横波のイメージ図

前述のとおり、たいていの波は横波ですのでイメージしやすいと思います。

例えば、光波や海の波、ヒモを横に張って縦に揺らしてできる波も横波です。

横波は「y-xグラフ」と「y-tグラフ」で記述されます。

これら二つのグラフについては次の記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

縦波の定義と具体例

一方、縦波の定義は、

伝わる方向と媒質の振動方向が平行な波

です。

縦波の代表的な例は音波やバネの振動です。

特にバネの振動は後で説明する疎密が分かりやすい例です。

縦波のイメージ図

絵が下手ですみません。。。

バネの一端を固定して、もう一方の端を手で揺らせば、バネの伸び縮みが伝わっていきます。

さて、この例のように波の伝わる方向(x 軸)と媒質の振動方向(y 軸)が平行になっていると、軸同士が重なって「y-xグラフ」を描くことができません。

そこで次に説明するように、便宜的に縦波を横波に変換して「y-xグラフ」を描きます

縦波の横波表示

縦波を横波表示するために、以下のルールを定めます。

縦波の横波表示

・x軸正方向に変位している媒質は y軸正方向の変位に置き換える
・x軸負方向に変位している媒質は y軸負方向の変位に置き換える

このルールについては次の図で確認してください。

縦波の横波表示の説明図

縦波の疎密

さて、縦波の例として挙げたバネの振動の図をもう一度見てみましょう。

縦波で疎密が伝わることの説明図

このように、縦波では振動方向と波の伝わる方向が平行なために、疎密が伝わっていきます。

なので縦波は疎密波とも呼ばれます。

そして先ほどの縦波の横波表示、つまり縦波の「y-xグラフ」から疎密を判断できます

次の図をご覧ください。

「y-x」グラフで y軸正方向に変位している媒質は実際には x軸正方向に変位しているのでした。

逆も同様です。

縦波の疎密のイメージ図

このように「y-xグラフ」の曲線(正弦波)が x軸と交わるところで疎密が生じます。

また、正弦波の山と谷では周囲の媒質が同じ方向に変位しているため、疎密が生じず、平均密度となります。

この覚え方がミソ

「y-xグラフ」から疎密を読み取れることが分かりましたが、実は疎密を一瞬で判断できる覚え方があるのです。

次のように覚えておきましょう!

縦波の疎密の覚え方の図

「y-xグラフ」の正弦波が「ミ」の向きで x軸と交わるところが「密」、「ソ」の向きで x軸と交わるところが「疎」になります。

この判別は必ず「y-xグラフ」で行うことに注意しましょう。

つまり「y-tグラフ」が与えられて疎密が聞かれたら、「y-xグラフ」に変換する必要があります。

「y-xグラフ」と「y-tグラフ」の変換については、「y-x-tグラフ」を使うのが非常に便利です。

先ほど紹介したこちらの記事で、「y-x-tグラフ」についても詳しく解説していますので、是非ご参照ください。

まとめ

今回は縦波と横波、特に縦波の定義や具体例、疎密の判別について説明しました。

ポイントを次のとおりカード二枚に分けてまとめましたので、是非ご活用ください。

<縦波と横波の定義と具体例>

波の伝わる方向と媒質の振動方向の関係が最重要です。

正確に押さえておきましょう。

具体例については選択式の問題などで聞かれることがあるかもしれません。

縦波と横波の定義と具体例のまとめ(1)

縦波と横波の定義と具体例のまとめ(2)

<縦波の横波表示と疎密の判断方法>

疎密の判断は理解度に差が出ます。

横波表示という原理を踏まえつつ、「ミソ」を使って一瞬で判断し、テストなどで時間短縮につなげましょう。

縦波の横波表示と疎密の判断方法のまとめ(1)

縦波の横波表示と疎密の判断方法のまとめ(2)

問題に挑戦

それでは今回のテーマのおさらい問題に挑戦してみましょう。

縦波についての理解を深める例題

疎密の問題は上のまとめですぐに解けますね。

速度については今回の記事では触れていません。

しかし、波の速度と加速度は、力学の単振動の速度・加速度と関連付けると理解しやすいです。

単振動をグラフ化すると正弦波(sin の形の波)になり、それは普段我々が波の分野で扱う波そのものですから。

<解答>

疎密は「ミソ」で簡単に判断できます。

縦波についての理解を深める例題の解説(1)

<1番の答え>

密度が最大の箇所「密」は A、E 、

最小の箇所「疎」は C です

<2番の答え>

前述のように、単振動をイメージしてみてください。

単振動の速度と加速度の説明図

速度について、つり合いの位置で媒質の速度の大きさは最大になります。

また、反対方向へ変位しようとする瞬間、つまり伸びきった「山」や縮みきった「谷」のとき、速度は 0 になります。

次に加速度について、山や谷で媒質の加速度の大きさが最大となり、つり合いの位置で 0 になります。

速さは速度の絶対値のことですので注意しましょう。

以上のことより答えは、

速さが最大の箇所は、変位が 0 (つり合いの位置)の A、C、E で、

速さが 0 の箇所は山の D、谷の B です。

いかがだったでしょうか。

縦波の話はそれほど頻出というわけではありませんが、しっかり押さえておくに越したことはありません。

少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします!