数珠順列の公式と÷2で求められない問題(左右対称に着目!)

難易度:★★★☆
頻出度:★☆☆☆

今回取り上げるテーマは数珠(じゅず)順列です。

数珠順列は円順列の応用版といった感じですが、円順列よりも数段手ごわいと言えます。

公式はもちろん、公式が使えない発展的な問題も詳しく分かりやすく解説します。

なお次の記事で扱った円順列の考え方や公式を使うことになりますので、併せてご確認いただければ勉強効果倍増です。

難易度が高いこともあり説明の文章が少し長いところもあるかと思いますが、是非じっくり読んでみてください。

スポンサーリンク

数珠順列とは

円順列と比べると数珠順列はかなりマイナーかと思います。

数珠順列ではその名のとおり、いくつかの玉で数珠をつくるとき、何種類の数珠ができるのかを数えます。

円形をつくるという点では円順列と同じですが、数珠順列と円順列はどう違うのでしょうか。

次の例題で説明します。

例題

赤、青、緑、橙、紫 の5色の玉を使って作られる数珠は何通りあるか。

このようにストレートに数珠と言ってくれる問題もあれば、ネックレスなどと表現する問題もあります。

またもっと婉曲的に「ひもに玉を通して輪をつくる」と表現する場合もあります。

なので問題文を読んで、「あっ!これは数珠順列の問題だな。」と気付くことが思考のはじめの一歩となります。

<解説>

冒頭で紹介した記事で説明したとおり、円順列では回転して重なるもの同士は同じものと考えます。

一方、数珠順列では回転して重なるものだけでなく、裏返して重なるもの同士も同じものと考えます。

もう少し具体的にお話しします。

円順列は「円形に並べる」や「円形のテーブルに座る」といった設定なので、持ち上げて裏返すことはそもそもできません。

一方、数珠やネックレスはひもに玉を通して輪をつくった後、持ち上げて裏返すことが可能です。

そして数珠やネックレスには表も裏もありません。

よって裏返して重なる場合も同じ配列と考えるのです。

ということで数珠順列の解き方としては、まずはじめに円順列を数え、その後で裏返して重なるものは同じとして除外します。

さて、この問題のように異なるもので数珠をつくる場合は簡単です。

数珠順列の説明図

まず異なる5色の玉の円順列は、円順列の公式より (5-1)! 通りです。

その中で、上図に示したように、各配列には裏返すと同じになるペアがあります。

よって数珠順列は円順列の半分、つまり「(5-1)!/2 = 12通り」となります。

数珠順列の公式

このことを一般化すると、「異なるn個のものの数珠順列は (n-1)!/2 通り」という公式ができます。

円順列の数を 1/2 すれば数珠順列の数になるので、円順列さえしっかりおさえておけば安心です。

しかしこの「÷2 の公式」はあくまで、「異なるものを使って数珠をつくるときしか使えないので十分注意しましょう。

公式が使えない問題に挑戦!

例えば次の問題では公式が使えません。

同じ色の玉が含まれているからです。

なかなか難しい問題ですが、是非一度挑戦してみてください。

問題

赤色の玉3個、青色の玉2個、緑色の玉2個、橙色の玉1個、合計8個の玉を使って作られる数珠は何種類あるか。

<解説>

まずは円順列の総数を求めておきましょう。

同じ色の玉が含まれているので円順列の公式も使えません

こんなときは、円順列の記事の例題で解説したとおり、「1個しかないものを固定する」のが有効です。

本問では1個しかない橙色の玉を固定します。

そうすれば残りは(円順列ではない)普通の順列になります(固定されて回転できないので)。

といっても同じ色の玉があるのでまだ注意が必要です。

次のように同じものを含む順列の公式を使って計算しましょう。

数珠順列の公式が使えない例題の解答(その1:まずは円順列を「1個固定」&同じものを含む順列の公式で求める)

なお同じものを含む順列の公式については次の記事を参考にしていただければと思います。

いろいろな場面で使える優秀な公式です。

さてここからが本番で、円順列から数珠順列にもっていき数を減らします。

裏返して重なるものを除外するのです。

しかし先ほどの「異なるものの数珠順列」の場合とは異なり、すべての配列が裏返して重なるペアを持っているわけではありません。

具体的には、「左右対称なものは裏返しても変わらないのでペアを持ちません

この「左右対称なもの」を数えるのがポイントです。

どう数えるのが楽か、次の図で説明します。

数珠順列の公式が使えない例題の解答(その2:左右対称なものに着目する)

まず円順列の総数を求めたときの延長として、橙の位置を固定します。

次に奇数個ある赤の位置を決めてしまいます。

3つの赤のうち1つは橙の向かいに置かないと左右対称にならないので、1つの赤の位置がはじめに決まります

その後残りの赤2つが左右対称な位置になるように置くことで場合分けし、青と緑を残りの箇所に入れます。

上図の①と②、③と④、⑤と⑥が赤の位置で場合分けした組み合わせ(青と緑の位置だけが違う組み合わせ)です。

円順列は210通りもありましたが、その中で左右対称なものはたったの6通りしかないんですね。

これら以外は裏返して重なるペアがあるので、÷2 の対象です。

後は「左右対称なものの数裏返して重なるものがあるものの数÷2を足します

よって求める数珠の数は「6+(210-6)/2 = 108通り」と計算できます。

最後に左右対称なものの数(本問なら6)を足し忘れないように注意しましょう。

数珠順列のまとめ

最後にここまでの内容をまとめておきましょう。

異なるもののみでつくる数珠順列の数は「円順列÷2」の公式で簡単に求められます。

しかし同じものを含む場合は円順列の公式も数珠順列の「÷2の公式」も使えません。

そんなときは左右対称なものに着目し、裏返して重なるペアがあるものの数をあぶり出しましょう。

以上のことを次の単語カードにまとめました。

少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

数珠順列のポイントのまとめ(1)

数珠順列のポイントのまとめ(2)

(同じものを含む数珠順列の問題がすべてこの方法で解けるとは限りません。問題によってはもっと簡単な解き方があったり、場合分けによる地道な数え上げ(のみ)が有効な場合もあるでしょう。ケースバイケースなのが数珠順列の難しいところです。)

今回はここまでです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!