not so much as が付く2つの表現の意味とひっかけ問題を解説

難易度:★★☆☆
頻出度:★★☆☆

前回に引き続き今回も比較分野からの投稿です。

覚えておきたい成句「not so much as」を取り上げます。

「not so much as」が付く表現には主に2パターンあり、両者をきちんと区別して押さえておくことが大事です。

いつも通り同意表現や関連表現も一緒に、例文とコメントで徹底解説します。

是非全体に目を通していただき、最後の例題演習にも挑戦してみてください。

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not so much A as B

1つ目は、比較する2つのものを as の両隣に置く、「not so much A as B」です。

AというよりむしろB」を表し、同意表現(すぐ後で紹介します!)と併せて要暗記のイディオムです。

<例文>
She is not so much a musician as an artist.
彼女は音楽家というよりむしろ芸術家だ。

rather B than A と more B than A

「not so much A as B」と一緒に押さえておくべき同意表現は2つあります。

rather B than A もしくは B rather than A」と「more B than A」です。

どちらも「not so much A as B」とは A と B の順序が逆になることに注意しましょう。

先ほどの例文を書き換えると次のようになります。

<例文>
She is rather an artist than a musician.
(=She is an artist rather than a musician.)
彼女は音楽家というよりむしろ芸術家だ。

<例文>
She is more an artist than a musician.
彼女は音楽家というよりむしろ芸術家だ。

not so much as do~

2つ目の「not so much as」が付く表現は「not so much as do~」で、「~さえしない」の意味です。

as の後に動詞の原形が来ることに注意しましょう。

<例文>
She couldn’t so much as write her own name.
彼女は自分の名前を書くことさえできなかった。

<メモ>
「She couldn’t write her own name」に so much as が挿入されていると考えれば、as の後に動詞の原形(write)がくることも納得できます。

この「〇〇は自分の名前を書くことさえできない(できなかった)。」の英文は、何故かこのイディオムの例文としてよく用いられます。
入試でもそのまま聞かれることがあるので知っておくと良いと思います。

without so much as ~ing

not を否定の前置詞 without「~なしで」で置き換えた「without so much as ~ing~さえしないで」も一緒に覚えておきましょう。

こちらは前置詞 without の後なので、as の後は動名詞になるのでさらに要注意です。

<例文>
She left here without so much as saying good-bye.
彼女はさよならさえ言わずにここを去った。
(彼女はさよならを言うことさえせずにここを去った。)

<メモ>
先ほど同様、「without saying good-bye」に so much as が挿入されていると考えれば、as の後に動名詞(saying)がくるのは自然です。

not so much as のまとめ

ここでまとめです。

not so much A as B」と「not so much as do~」は形は似ていますが、別物と思って覚えておくべきです。

今回はそれぞれ、同意表現・関連表現と共に単語カードに書いておきましたので、適宜ご活用いただければ幸いです。

not so much A as B

not so much A as B、rather B than A、more B than A のまとめ(1)

not so much A as B、rather B than A、more B than A のまとめ(2)

not so much as do~

not so much as do~ と without so much as ~ing のまとめ(1)

not so much as do~ と without so much as ~ing のまとめ(2)

問題に挑戦!

それではいつも通り今回のテーマを復習しましょう。

今回は和訳問題を3つ用意してみました。

ひっかけに注意して全問正解を目指してみてください!

問題

次の英文を訳せ。
1. This restaurant is famous not so much for its food as for its wine.
2. I don’t like baseball so much as you.
3. He has not finished so much homework as his brother.

<解答>

1番は今回取り上げた「not so much A as B」の構文が使われている英文です。

「be famous for O(Oで有名だ)」の「for O」にあたる「for its food」と「for its wine」が比較されていることに注意しましょう。

※ちなみにこの所有格代名詞の its はしばしば省略されます。

このように名詞同士ではなく前置詞句同士を比較するパターンは、少し難易度が上がるので入試でもよく見かけます。

答えの訳は「このレストランは食事というよりむしろワインで有名だ。」となります。

2番はちょっとしたひっかけ問題です。

「not so much as」が目につきますが、これは今回紹介した「not so much A as B」ではありません。

これは比較の最も基本的な表現である「as 原級 as ……と同じくらい~だ)」の否定形において、用いる副詞の原級がたまたま much になっているだけです。

(例えば「You like baseball very much.」の much です。)

as 原級 as ……と同じくらい~だ)」の否定形では、1つ目の as は so に置き換え可能で、「not so 原級 as ……ほど~でない)」とできることを思い出しましょう。

ということで答えの訳はシンプルに「私はあなたほど野球が好きではない。」となります。

続く3番も同じ原理です。

not so 原級 as …」において、今度は much が「たくさんの」の意味の形容詞として機能し、homework とセットになっています。

homework が不可算名詞なので much が用いられ、「not so much A as B」に近い形にたまたまなっているだけです。

ということで答えの訳は「彼は兄(弟)ほどたくさんの宿題を終えていない。」となります。

<補足>

不可算名詞の money ではなく可算名詞の複数形、例えば books を使った英文を考えてみましょう。

much の代わりに many を使うことになり、なんとなく見慣れた英文になります。

He doesn’t have so many books as you.
彼はあなたほど多くの本を持っていない。

後ろ2題はひっかけ問題でしたが、無事全問正解にたどり着けたでしょうか。

構文や熟語の形に惑わされず、文構造をしっかり把握し、文法のパズルを楽しみながら読み解くことが大切かなと思います。

今回はここまでとなります。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!