ベクトルの平行・垂直条件のまとめと内積 = 0 を使う例題の解説

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★★

今回はベクトルの平行条件垂直条件についてまとめたいと思います。

平行・垂直条件はしょっちゅう使いますので、無意識レベルで使いこなせるようにしておく必要があります。

以下でそれぞれの概要を説明し、さらりとまとめた後でよくある例題を解説します。

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平行条件

ベクトルの平行条件は2つの形で押さえておく必要があります。

特に後者が重要です。

k倍

2つのベクトルが平行なら、始点を一致させてからどちらかのベクトル(矢印)をぐいーんと伸ばせば他方のベクトル(矢印)と一致するはずです。

(ベクトルは平行移動自由なので始点を一致させることができます。)

ベクトルの平行条件その1(k倍)

つまり(零ベクトルでない)2つのベクトルについて、(片方のベクトル)= k ×(もう一方のベクトル)となる実数 k が存在すれば、その2つのベクトルは平行と言えます。

ただし k は 0 ではありません。

k = 0 だと、2つのベクトルが零ベクトルでないことに矛盾してしまいますよね。

こちらの平行条件はある意味当たり前なので、暗記するような代物ではありません。

成分をたすき掛けして引いて0

もう1つの平行条件は成分計算で判定します。

ベクトルの平行条件その2(成分をたすき掛けして引いて0)

このように2つのベクトルの成分をたすき掛けして引き計算結果が 0 になったらその2つのベクトルは平行と言えます。

<メモ>
ここでは証明は省きますが、以上2つの平行条件は互いに同値(必要十分条件)です。
なのでどちらか1つ、各々の問題に応じて使いやすい(示しやすい)方を使えばOKです。

垂直条件

ベクトルの垂直条件は内積で考えるのが鉄板です。

まずは内積の定義を確認しておきましょう。

ベクトルの内積の定義

2つのベクトルの大きさを掛けて、さらになす角のコサインを掛けたものが内積でした。

(なす角を測るときは2つのベクトルの始点を一致させることに注意しましょう。)

また内積の成分計算も忘れずにマスターしておく必要があります。

(先ほどの2つ目の平行条件とは異なり、たすき掛けではないことに注意です。)

この内積の式において、なす角が 90°のとき2つのベクトルが垂直と言えます。

cos90°= 0 なので、垂直条件は内積 = 0となります。

まとめ

以上のことをまとめておきましょう。

平行条件2つと垂直条件1つを単語カードに書いておきました。

ベクトルの平行・垂直条件のまとめ(1)

ベクトルの平行・垂直条件のまとめ(2)

特に「垂直 ⇔ 内積 = 0」は本当にびっくりするほどよく使うので、よく習熟しておきましょう。

実際の使い方についてはこの後の例題も参考にしてみてください。

問題に挑戦!

それでは最後に今回のテーマに関する例題とその解答を示したいと思います。

垂直 ⇔ 内積 = 0」を使う基本的な問題ですが、他にもポイントとなる定石がいくつか出てきますので、1つ1つ確認していきましょう。

ベクトルの垂直条件についての例題

<解説>

図が与えられていないことですし、まずは図を描いて問題の設定をイメージしましょう。

そして図を描いた段階で、aベクトル の大きさが OA = 5、bベクトル の大きさが BO = 6 であることを押さえておきます。

その上で「残った AB = 7 はどのように使おうか」と同時に「後々のために aベクトルbベクトル の内積をはじめに求めておきたいな」と考えはじめると、次のような方針が浮かぶと思います。

・ABベクトル を「bベクトル - aベクトル」と分解する。

便利なベクトルの分解公式については次の記事をご参照ください。

・ABベクトル、つまり「bベクトル - aベクトル」大きさ7 と分かっていて、これを2乗すれば計算の過程で「aベクトル と bベクトル の内積が出現する。

ベクトルの大きさは2乗して内積計算に持ち込むのが常套手段です。次の記事で詳しく解説しています。

以上の思考をもって、下の解答のように「aベクトル と bベクトル の内積」を求めておきます。

ベクトルの垂直条件についての例題の解答

次に「C が AB 上にある」という条件を使います。

点が直線上にある条件は媒介変数 t を用いて下の解答のつづきの①式のように定式化できます。

特に線分上にある場合は 0 ≦ t ≦ 1 です。

内分の公式と見ても良いですし、直線のベクトル方程式と見ても良いでしょう。

そしていよいよ「OC と AB が垂直である」という条件を使います。

垂直 ⇔ 内積 = 0」の出番で、②式が立てられます。

後は①式を②式に代入し、さらに各ベクトルの大きさと内積を代入してガリガリ計算するだけです。

t の値が求められれば、①式に t の値を代入して答えとなります。

ベクトルの垂直条件についての例題の解答のつづき

いかがだったでしょうか。

このようにベクトル分野には、ポイント・定石と言える「式変形」や「条件を定式化する手法」等があって、それらを整然と組み合わせていくことで答えへとたどり着くことができます。

解答をつくる思考の流れを文章で説明したので、少し分かりづらいところもあったかもしれませんが、ご容赦の上、少しでも参考にしていただけたら幸いです。

今回は以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!