オストワルト法の概要と反応式のまとめ方

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★☆

今回は硝酸の工業的製法であるオストワルト法について解説します。

オストワルト法は難しすぎず簡単すぎずといったところで、工業的製法の中でも特によく問題にされる印象です。

ところどころ覚えるべきところがありますが、それらをしっかり押さえておけば大問まるごと満点を狙えます。

ラストにいつもどおりポイント暗記用のまとめを用意していますので、最後まで読んでいただければ幸いです。

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オストワルト法のフロー図と反応式一覧

オストワルト法はドイツの物理化学者であるオストワルトが編み出した硝酸の工業的製法です。

原料のアンモニアを次々と酸化させていくので、アンモニア酸化法とも呼ばれます(この名称を覚える必要はありません)。

早速ですが、プロセスのフロー図と反応式一覧を示します。

オストワルト法のフロー図と反応式一覧

それでは以下でそれぞれの工程をじっくり見ていきましょう。

覚えるべきところはその都度強調していきますが、冒頭にお話ししたように最後にポイントをまとめますのでご心配なく。

<メモ>
原料のアンモニアはハーバー法(ハーバー・ボッシュ法)で製造されます。

①アンモニアを酸化

まずはじめに原料のアンモニアを約800℃の高温で空気酸化(空気中の酸素で酸化)します。

アンモニアは一酸化窒素となり、水も生じます。

N の酸化数が -3 から +2 になり、たしかに酸化されていることを確認してください。

そしてこの反応の触媒として白金Pt)が用いられることは必ず覚えておきましょう。

左辺と右辺の物質が何かさえ押さえておけば、反応式自体は特に難しい(つくりづらい)ものではないと思います。

両辺の係数を合わせるときは(N の数は両辺で一致しているので)H → O の順に合わせれば良いでしょう。

②一酸化窒素を酸化

次に①で得られた一酸化窒素をさらに空気酸化します。

といっても今度は特別な操作は必要なく、①の反応後の混合気体を約140℃以下まで冷却します。

すると①の生成物の一酸化窒素が未反応の酸素と結合して二酸化窒素に変わります。

N の酸化数は +2 から +4 になり、やはりたしかに酸化されています。

この反応式は①よりさらに簡単なので、流れ(一酸化窒素を空気酸化して二酸化窒素を得ること)さえ押さえておけば問題なくつくることができるでしょう。

③二酸化窒素を温水に吸収

そして最後に②で得られた二酸化窒素を温水(約50℃)に吸収させることで硝酸を得ます。

ここで、硝酸と共に一酸化窒素が生成することを覚えておきましょう。

生成した一酸化窒素は②の反応へとリサイクル(再利用)されます

工業的製法ではリサイクルが肝となり問題にされることが多いので、この点は入試対策としても非常に重要です。

そしてこの反応式の係数合わせも比較的簡単です。

N は3か所に、O は4か所にあるのでとりあえず後回しで、まずは両辺に1か所ずつしかない H を合わせます(右辺の硝酸を2倍します)。

その後 N の数を合わせれば(左辺の二酸化窒素を3倍すれば)、O の数は自然に合うようになっています。

<発展>

この反応は二酸化窒素同士による酸化還元反応です。

酸化された二酸化窒素は硝酸に(N の酸化数は +4 から +5 に)なり、還元された二酸化窒素は一酸化窒素に(N の酸化数は +4 から +2 に)戻ります。

このことを知らなくても反応式は書けるので、余裕がある方のみ知っておきましょう。

<メモ>
原料を少しずつ酸化させていき最後に水と反応させる過程は、硫酸の工業的製法である接触法とそっくりです。
といっても接触法の場合は最後の水との反応のさせ方がかなり特殊ですが。
接触法については次の記事で詳しく解説していますので、お時間がある方は是非併せてお読みいただければと思います。

(問題!)全体の反応式の作り方

以上がオストワルト法の各工程ですが、ここで問題です。

最初にお示しした図の一番下に全体の反応式を書きましたが、これを①~③の反応式をまとめる(連立する)ことでつくってみてください。

オストワルト法が出題されるときは必ずと言っていいほど聞かれる問題です。

<解答>

この、3つの反応式をまとめる作業が意外とくせ者で、初見でまとめ方を全く知らずに取り組むと、なかなか苦戦します。

なのでまとめ方を是非覚えておいてください。

まとめ方はズバリ「二酸化窒素の係数をそろえてから3式を足す」ことです。

つまり②式を3倍、③式を2倍してから、それぞれの式の両辺を足します。

この方法さえ知っていれば慌てず焦らず対応できますよ!

<メモ>
工業的製法が大問の題材になると、最後にモル計算をさせてくることが多いです。
ですがモル計算はしょせんモル計算。
扱う量が [kg] や [t(トン)] など大きくなることにさえ注意すれば、特に対策は必要ないでしょう。
上で示した接触法の記事にモル計算の例題をつけておきましたので、不安な方は一度解いてみてください。

まとめ

それでは最後にオストワルト法のまとめです。

次の単語カードをそっくりそのまま覚えていただければ、ほとんどの問題は解き切ることができると思います。

まずは全体の流れをフロー図で押さえましょう。

さらに追加で、①の反応の触媒が白金Pt)であること、一酸化窒素のリサイクル、そして全体の反応式のまとめ方を覚えておくのが得策です。

オストワルト法のまとめ(1)

オストワルト法のまとめ(2)

といったところで今回はおしまいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

お疲れさまでした!