オゾンの知識総整理(構造式・電子式・製法・性質・反応)

難易度:★★☆☆
頻出度:★☆☆☆

今回は無機分野から、オゾンについて解説します。

無機分野では知識量が物を言いますが、「暗記の前の理解」、これがとても重要です。

この記事では入試に出るオゾンの知識のすべてを押さえつつ、「暗記の前の理解」の手助けとして、オゾンの構造式・電子式の書き方についてじっくり解説したいと思います。

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オゾンは酸素の同素体

まず、オゾンは酸素の同素体です(有名な SCOP の O ですね。)。

同素体は同一元素の単体同士で、互いに性質が異なるもの同士です。

オゾンは O3、酸素は O2、互いに酸素原子からなりますが、構造や性質は大きく異なります。

(数字は下付き文字です。)

オゾンの構造(構造式と電子式のつくり方)

オゾンは折れ線形の分子です。

何故折れ線形になるか、構造式と電子式から確かめましょう。

まずは電子式を書いてみます。

オゾンの構造(電子式のつくり方)

電子式を考える際は「どの原子も周りに電子が8個ある状態」になるように結合を考えます(オクテット則と言います)。

オゾンの電子式をつくるステップは2つです。

ステップ1ではとりあえず2個の酸素原子で酸素分子をつくります。

続けてもう一つの酸素も結合させたいところですが、そうすると真ん中の酸素原子に関して上記原則が崩れてしまうので、ステップ2として配位結合を利用します。

配位結合は非共有電子対を(一方的に)与えることで共有結合をつくる結合様式のことです。

オゾンの場合は真ん中の酸素原子から右側の酸素原子に非共有電子対を1つ貸与し結合をつくります。

結果としてオゾン分子中の酸素間結合は、一つが二重結合、もう一つが配位結合からなる単結合、となります。

なお高校化学の範囲を超えてしまいますが、ご興味がある方は次の2つのメモもお読みください。

<参考メモ>
実際は2つの酸素間結合は両方とも単結合と二重結合の中間の状態となっており、両端の酸素原子は等価(区別がつかない)です。
上図の一番下に書いたオゾンと左右対称のオゾンとの間で瞬間的に行ったりきたりしていると考えても良いでしょう(共鳴構造と言います)。

<参考メモ>
共有している電子対は仲良く半分個と考えるので、真ん中の酸素原子に帰属する電子は5個となり、結合していない状態の価電子6個から1個不足(プラスの電荷が過剰)となっています。
よって真ん中の酸素原子には「+」を付けています。
同様に右側の酸素原子に帰属する電子は7個であり、結合していない状態から1個過剰(マイナスの電荷が過剰)となっています。
よって右側の酸素原子には「-」を付けています。

次に構造式のつくり方です。

電子式の共有電子対を、結合を表す線に変換します。

二重結合なら2本、単結合なら1本です。

なお配位結合は電子対の貸与の向きが分かりやすいように矢印で表しています。

構造式自体はこれでOKですが、分子の構造(形)を考えるには最後に電子のかたまりの反発を考慮します。

真ん中の酸素原子の周りには3つの電子のかたまり(非共有電子対も考慮します)があるので、これらが互いに反発することで、折れ線形となります。

オゾンの構造(構造式のつくり方)

オゾンの製法

オゾンの製法は2通り覚えておきましょう。

酸素に紫外線を照射する、もしくは酸素中で無声放電するとオゾンになります。

どちらも3つの酸素が2つのオゾンになるという簡単な反応式です。

なおオゾンの安定性は低く、常温で徐々に分解し酸素となります。

オゾン層の役割

このオゾンの製法2つのうち、前者はオゾン層が形成される反応になります。

地上から約 10 km ~ 50 km のところで太陽からの紫外線が酸素をオゾンに変え、オゾン層となるのです。

オゾン層は有害な紫外線の大部分を吸収してくれるので、地球上で暮らす私たち人間やその他の生物にとってなくてはならないものです。

そして、フロンガスによりオゾン層の破壊(オゾンホールの形成)が進んでいるので、現在ではフロンガスの使用が規制されていることも現代社会の知識として覚えておきましょう。

オゾンの性質・反応(色、におい、酸化作用)

オゾンは淡青色特異臭をもつ気体です。

ちなみに覚える必要はありませんが、オゾンの特異臭はこげくさいようなにおいです。

またオゾンは酸化作用が強いことで有名で、ヨウ化カリウムデンプン紙を青紫色青色)に変える酸化還元反応が頻出です。

この後の例題でご確認ください。

なおこの反応でオゾンの検出(存在を確認すること)が可能ですが、オゾンの定量(どれくらいの量があるかを確認すること)にはヨウ化カリウム水溶液を用いたヨウ素滴定が有効です。

ヨウ素滴定については次の記事で扱っていますので、是非併せてご一読いただければと思います。

またオゾンには殺菌・漂白作用があることも一応知っておくとよいでしょう。

飲料水の消毒などもオゾンによって行われる場合があります。

問題に挑戦!

それでは入試頻出の反応式を実際に書いてみましょう。

暗記するのではなく、作成できるようにすることが大事です。

問題

オゾンがヨウ化カリウムデンプン紙を青紫色(青色)に変える酸化還元反応の反応式を書け。

<解説>

酸化還元反応なので酸化剤(オゾン)と還元剤(ヨウ化物イオン)の半反応式を書いて合体させればOKです。

電子数が同じなので2つの半反応式を単に両辺足し合わせ、両辺に2つのカリウムイオンと2つの水酸化物イオンを足して整えます。

両者の半反応式は次の記事の半反応式一覧の中に出てきていますので、ご参照いただければと思います。

答えは

O3+2KI+H2O→O2+I2+2KOH」です。

(下付き文字に変換してください。)

なお生じたヨウ素がデンプンとヨウ素デンプン反応を起こし青紫色(青色)に呈色します。

このヨウ素デンプン反応は先ほど出てきたヨウ素滴定の終点を知らせてくれるなど、化学全般でよく用いられる重要な呈色反応です。

まとめ

最後に今回のまとめです。

オゾンについては、構造、製法2通り、色、におい、酸化作用を積極的に押さえておく必要があります。

どうしても暗記項目となってしまうので、単語カードなどを利用してしっかり覚えておきましょう。

次のようにまとめておきます。

なおヨウ化カリウムデンプン紙の青変の反応式については、前述のとおり、つくり方の理解が大事です。

その上で「何度もつくったり見たりしているうちに(常識として)自然に覚えていた」くらいになれば最高です。

オゾンの知識(構造、製法、性質、反応など)のまとめ(1)

オゾンの知識(構造、製法、性質、反応など)のまとめ(2)

今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!