再結晶(法)とは:原理を溶解度曲線とイメージ図で分かりやすく解説

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★☆☆

今回は再結晶(法)について詳しく解説したいと思います。

再結晶(法)は高校化学でも最初の方に習う事項なので、さらっと流されてしまいがちです。

しかし溶解度曲線を用いてその原理を深く理解しておくと、他の分野でも役に立つことがあります。

イメージ図も用いながら丁寧に図解します!

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再結晶(法)とは

再結晶(法)は物質の精製法の1つです。

不純物を含む固体を高温の溶媒に溶かし、これを冷却することで目的物質の純粋な結晶を析出させます。

塩化カリウム、硝酸カリウム、ホウ酸、硫酸銅などは再結晶(法)で精製できる固体の代表例です。

再結晶(法)では目的物質と不純物の溶解度の差を利用します。

どういうことか、溶解度曲線を用いて説明しますね。

なお、本記事の前提となる固体の溶解度については次の記事を参考にしてください。

この記事では硫酸銅(II)・五水和物の析出に関する計算問題も解説しています。

再結晶(法)の原理と溶解度曲線

溶解度曲線とは、一定圧力の下で横軸に温度、縦軸に溶質の溶媒に対する溶解度をとったグラフのことです。

固体の溶解度は普通、高温ほど大きくなりますから、固体の溶解度曲線は通常下に凸の曲線となります。

次の図で溶解度曲線と再結晶(法)の原理を図解します。

※目的物質と不純物の個数はあくまでイメージです。

再結晶法の原理と溶解度曲線を図解

下のイラストのように、目的物質(△)6個不純物(□)2個が含まれる固体を溶媒に溶かし、再結晶(法)により目的物質を精製することを考えます。

はじめに固体を溶かす温度 T1 は、目的物質・不純物の両方が完全に溶解する温度である必要があります。

溶かす量が溶解度を上回っていないときに完全に溶解する、と言えるので、温度 T1 では目的物質・不純物共に、実際に溶かす量は溶解度曲線の下側に位置することになります。

そしてこの溶液を温度 T2 まで冷却します。

温度 T2 は、目的物質の一部は析出するものの、不純物は一切析出しない温度である必要があります。

よって、目的物質の溶けている量は溶解度曲線と一致し、不純物の溶けている量はいまだ溶解度曲線の下側に位置します。

ここで、溶液は目的物質の飽和溶液になっています。

上図の例では、はじめに溶かした目的物質(△)6個のうち、溶けきれなくなった3個が析出します。

このようにして、目的物質の純粋な結晶が得られるのです。

以上が再結晶(法)の原理です。

問題に挑戦!

さて、再結晶(法)は原理を押さえておけば基本的に怖いものなしですが、ここで定期テストなどによく出る問題を紹介しておきましょう。

少し抽象的な問題ですが、次の記述問題をさらっと考えてみてください。

問題

一般に再結晶(法)で用いる溶媒の量はどのように決定するか。

<解答>

用いる溶媒の量が少なすぎると、はじめに固体を完全に溶解させるのが困難になりますし、冷却後に不純物も析出してしまう恐れがあります。

逆に、用いる溶媒の量が多すぎると、溶解は容易ですが、その分回収できる目的物質の量(収率)が少なくなります。

よって、不純物を含む目的物質の固体が完全に溶解し、冷却後に不純物が析出しない最低限の量を用います

溶解度曲線を用いれば溶媒の最適な量が検討できますが、記述問題対策としてはこの最低限の量というキーワードを押さえておくと良いと思います。

再結晶(法)のまとめ

最後に今回の記事のまとめです。

単語カードに再結晶(法)のポイントを文章でまとめておきました。

再結晶法の原理とポイントのまとめ(1)

再結晶法の原理とポイントのまとめ(2)

今回解説した溶解度曲線を用いた理解は、是非マスターしておいていただきたいと思います。

冒頭でお話ししたように、他の分野でも似たような解釈をすることがありますので。

(将来的に、他の分野との関連性についての記事も書きたいと思っています。)

今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!