屈折率と波長の関係など、すんなり理解できる3つのポイント

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★☆☆

今回は屈折率について解説したいと思います。

覚えるべき事項が多いように思われがちですが、本当に押さえるべきポイントはたったの3つです。

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はじめに少し説明が続きます。
次の目次もご利用ください。

屈折率とは?

単に屈折率と言うと、普通は絶対屈折率を指します。

その定義は次の通りで、これが押さえるべきポイントの1つ目です。

(絶対)屈折率の定義

(絶対)屈折率 n の媒質中では真空中と比べて光速が 1/n になる。

真空中と比べて、物質(媒質)中では光が遅く進みます。

この「真空中と比べる」というのがミソです。

「絶対」というくらいですので、絶対的な空間である真空と比べます。

屈折率は1以上

先ほどの定義より、真空の屈折率は1です。

そして、その他の物質(媒質)の屈折率は1より大きくなります。

なお、気体の屈折率は特に断りがない限り1とみなせます。

【注意】相対屈折率と区別

(絶対)屈折率と区別すべき用語として相対屈折率があります。

こちらは「相対」なので、真空とではなく、物質(媒質)同士の屈折率を比べます。

よく「媒質Aに対する媒質Bの屈折率」などと表記しますが、この場合の屈折率は相対屈折率を指します。

屈折率と見たら、絶対 or 相対、どちらの屈折率のことを言っているのか、しっかり確認するクセをつけることをオススメします。

相対屈折率、そして屈折の法則については次の記事をご参照ください。

光学(的)距離とは?

次に2つ目のポイントです。

光学(的)距離の定義を完璧にしておきましょう。

光学(的)距離の定義

屈折率 n の媒質中を光が進んだ距離を真空中に換算した距離。

言葉で書くと難しそうですが、実はけっこう簡単な話です。

屈折率 n の媒質中をある時間をかけて光が距離 l だけ進んだとします。

光から見れば、媒質中では速度が c/n と遅くなっていますが、真空中なら速度 c でスイスイ進めます。 

真空中なら同じ時間で n×l 進めるわけで、これが光学(的)距離です。

よって、光学(的)距離は次の式で求められます。

光学(的)距離の式

(光学(的)距離) = n ×(媒質中での距離)

屈折率が理解できる図

ここからは屈折率 n の媒質中で振動数、周期、波長がどうなるかを説明していきます。

次の図を見ながらお読みください。

(絶対)屈折率についての説明図-光速、振動数、波長がどう変わるか-

振動数は変わらない

押さえるべきポイントの3つ目は、屈折率が異なる媒質へ光が進んでも、振動数は変わらないということです。

つまり、真空中で振動数が f なら、屈折率 n の媒質中でも振動数は f のままです。

図中に拡大図でイメージを書いておきました。

光波は横波なので、波の進む向きと垂直の方向に媒質が振動します。

屈折率の異なる媒質同士の境界でも、隣の媒質の振動が伝わってくるので、隣の媒質が振動数 f なら次の媒質も振動数 f で振動します

よって振動数は屈折率によらず不変となるのです。

周期も変わらない

周期は振動数の逆数です。

よって振動数が不変なら周期も不変です。

これは暗記事項ではなく、振動数が変わらないというポイントから導き出されることです。

波長はどうなる?

さて、本記事のタイトルにも書きましたが、屈折率と波長の関係はどうなっているのでしょうか。

結論としては、屈折率が n の媒質中では波長が 1/n になります

しかしこれも暗記事項ではありません。

なぜならこれも「屈折率の定義と「振動数が変わらない」というポイントから導き出されるからです。

波の基本式「V = f λ」を考えましょう。

真空中と比べて光速 V が 1/n になり振動数 f が不変なので、波長 λ は 1/n になります。

光速は遅くなり振動数は不変、よって波が縮む」という風に感覚的に理解しておくと良いでしょう。

屈折率のまとめ

ここでまとめです。

ここまでお話してきた通り、次のカードにまとめる3点さえ抑えておけば、残りの知識は芋づる式に理解できます。

(絶対)屈折率のポイント(1)

(絶対)屈折率のポイント(2)(光速、光学的距離、振動数)

屈折率の問題に挑戦!

最後に復習のための例題を用意しました。

ささっと解いてみてください。

問題

真空中で速さが c、振動数が f の光がある。
この光が屈折率 n のガラスに入射した。

(1) ガラス中での波長はいくらか。
(2) 真空中で距離 l 進むのにかかる時間はいくらか。
(3) (2)の時間で、ガラス中を進む距離はいくらか。

<解説>

(1)

真空中の波長は波の基本式より λ = c/f です。

屈折率 n の媒質中では光速が 1/n になります。

振動数は変わらないので、波長は 1/n になります。

よって、λ/n = c/(f n) が答えです。

(2)

単に距離を時間で割ればOKで、l/c が答えです。

(3)

「光学(的)距離だから l に n をかける!」のは間違いです。

媒質中での距離を真空中での距離に換算するのが光学(的)距離です。

本問では真空中での距離を媒質中での距離に換算するので、逆の演算になります。

よって、l を n で割った l/n が答えです。

または、ガラス中での速度 c/n に(2)の答えの時間 l/c を掛けても同じ答えとなります。

基本的な問題でしたが、3つのポイントを復習できたでしょうか?

今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!