相対速度が一目で分かるまとめ:ベクトルで考える問題も解説

難易度:★☆☆☆
頻出度:★☆☆☆

今回は相対速度について解説します。

〇〇に対する△△の相対速度は?」と問題でよく聞かれますが、どっちの速度からどっちの速度を引いたら良いのか、けっこう迷いがちです。

また平面上の2物体の運動で、ベクトルで考えなくてはならないケースもあり、少し苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回は相対速度が一発で理解できて覚えられるまとめを提供し、ベクトルで考える問題を解説したいと思います。

スポンサーリンク

相対速度とは?

はじめに、そもそも相対速度とは何か、簡単に説明します。

「相対」と付いているので、「と比較したときの」速度を表します。

同様に「相対」が付く物理用語には、相対屈折率相対湿度相対性理論などがあります。

相対屈折率については以前次の記事で解説しました。

相対速度と本質的なポイントは同じなので、併せて読んでいただくと、さらに理解が深まるかと思います。

「に対する」は「から見た」

さて冒頭でも述べた通り、相対速度は普通「Aに対するBの相対速度」と記述されます。

この日本語の言い回しの意味を正しく押さえることが、「相対」と名の付く物理量をマスターするための肝になります。

次の図をご覧ください。

相対速度の説明図

物理では一般的に、静止した観測者から運動する物体を見ます

なので単に「速度」と言えば、それは静止した観測者から見た速度です。

一方、「Aに対するBの相対速度」とは「運動しているAから見たBの速度」を表します。

観測者自身も運動していることに注意しましょう。

上図で言えば、Aの速度とBの速度は静止した観測者から見たもので、「Aに対するBの相対速度」はBを後ろから追っているAから見た速度です。

よく、どっちから見るのか混乱しがちですが、「に対する」は「から見た」と訳しましょう

これは物理に限らず、「に対する」という日本語全般に言えることですが、覚えておくと何かと役に立つ、言わば公式のようなものです。

「相対」のポイント

「に対する」=「から見た」

速度の引き算:一直線上は簡単

「Aに対するBの相対速度」は「Aから見たBの速度」、ということはお分かりいただけたと思います。

では計算上はどうするか、簡単です。

Bの速度から基準となるAの速度を引けば良いのです。

一直線上の運動なら、速度の向きにさえ注意すれば、速度をスカラー量(ベクトル量ではなく向きのない量、つまり数そのもの)と捉えられるので、非常に簡単です。

小学生で習う旅人算(出会い算や追いつき算)と同じようなイメージですね。

速度の引き算:ベクトルも意外と簡単

一方、平面上の運動で速度をベクトルで考えなくてはならない場合、速度の引き算はベクトルの引き算になるので少々複雑に思われるかもしれません。

しかしこちらも実は簡単!

次の図をご覧ください。

相対速度を求める際にベクトルの引き算をするときのコツ

「Aから見たBの速度」をベクトルで計算するときはAの速度ベクトルの先端からBの速度ベクトルの先端を見れば良いのです。

先ほどご紹介した、「に対する」を「から見た」で訳すことを覚えておけば、違和感なく覚えられるのではないでしょうか。

※数学的にもこのベクトル計算が正しいことを図中の右上で証明しておきました。

相対速度のポイント

ここでいつも通り単語カードにまとめます。

これさえ覚えていただければ、相対速度を求める問題はバッチリ解けるはずです。

相対速度のまとめ(1)

相対速度のまとめ(2)

相対速度の問題に挑戦!

それでは実際に相対速度を求める例題を解いてみましょう!

ベクトルで考える基本的な問題です。

相対速度を求める例題(ベクトル)

<解答>

ベクトルの引き算をするときは始点をそろえるのが鉄則です。

始点をそろえてAの先端からBの先端を見たのが「Aに対する(から見た)Bの相対速度」です。

大きさは三平方の定理ですぐに求められるでしょう。

相対速度を求める例題(ベクトル)の解答

最後に1つだけ注意点を。

ルートの中の文字の2乗は、簡単にルートの外には出せないのでした。

絶対値を付ける必要があります

今回は速度の大きさ(速さ)v は正の値なので特に問題ないですが。

詳しくは次の記事で解説していますので参考にしてください。

ということで今回は相対速度のポイントをまとめました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後とも当ブログをよろしくお願いします。