ドップラー効果の公式は覚える必要なし!理解して問題が解けるようになる解説とまとめ!

難易度:★★☆☆
頻出度:★★★☆

今回はドップラー効果を取り上げます

教科書でも学校の授業でも公式ばかり強調されがちですが、正直なところ、公式を覚える必要は全くありません!

物理では公式よりも何よりも考え方が命。

以下でドップラー効果の基本的な考え方を詳しく解説し、最後にポイントをまとめます。

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そもそもドップラー効果って何?

妙にイカした名前のドップラー効果ですが、どういった現象なのでしょうか。

ドップラー効果とは「音源や観測者が運動すると、観測される音の振動数が変化する現象」です。

振動数は音の高さを決めるので、少し言い換えると、「音源や観測者が運動すると、観測される音の高さが変化する現象」です。

ドップラー効果でよく持ち出される例が緊急車両のサイレンです。

緊急車両が近づいてくるときは振動数が大きくなりサイレンが高く聞こえ、遠ざかっていくときは振動数が小さくなりサイレンが低く聞こえます。

ドップラー効果の問題では、音源や観測者が動くとき「観測者が聞く音の振動数はどうなるか」を最終的に求めます。

ドップラー効果の例題

それでは早速、次の例題を考えながらドップラー効果の解法を説明していきたいと思います。

ドップラー効果の例題

基本的な設定ですが、ドップラー効果のエッセンスを学ぶには十分です。

【大前提】音速は変化しない!

まずはじめに必ず覚えておいていただきたい大事な前提があります。

それは、音源や観測者が運動しても音速は変わらないということです。

ドップラー効果の大前提

音源や観測者が運動しても音速 V は変化しない。

音は空気を媒質として進むので、風に流されるなどして空気自体が運動しない限り、音速は変化しません。

音源がどんなに速く動きながら音を出しても、空気に乗った後の音速は不変なのです。

イメージとしては、走りながらベルトコンベアーに物を乗せる感じです。

どんなに速く走りながらベルトコンベアーに物を乗せても、ベルトコンベアーに乗った後は一定の速さで運ばれますよね。

<注意>
風がある場合のドップラー効果もたまに出題されます。
その場合は空気自体が運動する(流れる)ので、音速が変化します。
風の速度と音速を合成しましょう。

ここからは音源と観測者の運動の効果をそれぞれ説明していきます。

音源が動くと波長が変化する

音源(source の s を下付き文字で用います)が動くと、音は窮屈な思いをしたり、伸び伸びできたりします。

どういうことか、次の図で説明します。

ドップラー効果の説明1(音源が動くと波長が変化する)

音源が動くと、音源の進行方向にある音波は、後ろから追い立てられる形になり波長が短くなります

この縮んだ波長 λ前 は図中の式となります。

音源が動かないときの波長の式(上段のとおり、波の基本式から簡単に得られます)をちょっと変えて、分子の V から音源の速度 vs を引けばOKです。

短くなるからマイナス」と覚えておけば忘れません。

反対に音源の進行方向と逆方向にある波は、音源が遠ざかっていく分、波長が長くなります

λ後 は図中の式で表され、今度は分母内がプラスになっています。

こちらは「長くなるからプラス」と理解しておきましょう。

λ前λ後 の式はこのように感覚的に簡単に覚えられます。

音源と観測者との間の距離とその中に含まれる波の数を考えれば正式に導出できますが、それよりも「式の意味を感覚的に理解する」ことが重要だと思います。

本問では、逃走者は音源であるパトカーの前にいるので λ前 を使います。

観測者が動くと見かけの音速が変化する

次に観測者(observer の o を下付き文字で使います)が動くときの影響について解説します。

次の図をご覧ください。

ドップラー効果の説明2(観測者が動くと見かけの音速が変化する)

前述のとおり空気中の音速は変化しませんが、観測者から見た「見かけの音速」が変化します。

音源の方向に近づいていく場合は、あたかも音が加速して近づいてきているように感じます。

逆に本問のように音から遠ざかる場合は、観測者から見れば、自分が頑張って走っている分、あたかも音速が減速したように感じます。

ということで今回は、見かけの音速として V-vo を採用します。

ではいよいよ仕上げです。

観測者から見た波の基本式を立てる

ここまでで音源が動く場合の効果と、観測者が動く場合の効果が分かりました。

最後にこれらをドッキングします。

次の図で問題の状況を整理しつつ、ドップラー効果の式を仕上げましょう。

ドップラー効果の説明3(観測者から見た波の基本式を立てる)

この記事の最初に述べたとおり、観測者が聞く音の振動数を求めることがゴールです。

そこで観測者から見た波の基本式「V = f λ」を立てます

速度 V の部分は「観測者から見た見かけの音速」となります。

f の部分が、まさに求めたい観測者の聞く音の振動数 fo です。

そして λ の部分は、音源の前に観測者がいるので λ前 で置き換えます。

fo について解けば、めでたくフィニッシュです。

公式を覚えてもダメ!!

こうして求めた fo の式が、教科書などでドップラー効果の公式として載っています。

が、この式自体を覚えても全く何の役にも立ちません!

むしろ公式にとらわれ混乱するだけです。

大事なのはこの式を求めるために使った知識です。

つまり、

・音速は不変。
・音源が動くときの λ前 と λ後。
・観測者が動くときの「見かけの音速」。
・観測者から見た波の基本式を立てること。

です。

これらを各々の問題の設定に対して適切に応用することが、汎用性の高い解法そのものなのです。

ドップラー効果の解き方まとめ

それでは最後にドップラー効果の解き方をまとめます。

何度も繰り返しますが、教科書に出てくる公式を丸暗記しても無意味です!

覚えるなら、是非次のまとめを覚えてください!

ドップラー効果の解き方のまとめ(1)

ドップラー効果の解き方のまとめ(2)

このまとめを駆使すれば、難関大が出してくるような難しい問題にも十分対応できます!
是非このまとめを使って問題演習をしてみてください。

今回は以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!