波の式が絶対に立てられるようになる超簡単な3ステップ

難易度:★★★☆
頻出度:★★★☆

 

波の式はたいてい、三角関数が絡んできたり、いろいろな文字が散乱したりで、苦手意識を持つ学生が非常に多い分野です。

今回はそんな波の式を自力で立式できるようになる、超簡単な3ステップを紹介します。

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問題に挑戦

次の問題を解きながら、波の式のつくり方を説明していきたいと思います。

波の式を立てる例題

そもそも波の式って何?

波の式とは、変位 y を位置 x と時刻 t で表した式のことです。

つまり、任意の位置 x と時刻 t を波の式に代入すれば、その位置、時刻における変位 y(波の高さ)が求められます。

なんと便利な式!

なので上の問題も簡単に言えば「波の式をつくれ」と言っています。

でも、x、t と二つの変数があるので、複雑に感じますよね。

さて、高校物理では、波源の振動が単振動で、その振動が等速で伝わる波(正弦波:sin の曲線の形をした波)を主に扱います。

なので、ここからは正弦波の式をつくる方法を3ステップで説明していきます。

【ステップ1】ある位置の単振動を t の式にする

まずはどこでも良いので、ある位置における単振動を時刻 t の式で表します

ある位置と言ったのは、式が立てやすい場所ならどこでも良いからです。

ただ、普通は原点(x = 0)か、波源の単振動を式にするのが楽です。

今回も原点の単振動を時刻 t の式にします。

まずは「y-tグラフ」を描く

原点の単振動を時刻 t の式にするには、下準備として「y-tグラフ」を描かなくてはなりません。

t の式にするのに横軸 t のグラフがないのは心もとないですから。

例題でも「y-xグラフ」が与えられていますので、これから原点の「y-tグラフ」を描きましょう。

波のグラフの変換は、難しく感じる必要は全くありません。

こちらの記事で紹介したとおり、波の伝わる向きに注意して、「y-xグラフ」の「これからくる部分」を折り返せば「y-tグラフ」になるので、5秒くらいで書けちゃいます。

y-xグラフからy-tグラフを描く練習の図(波の式を立てる準備)

三角関数との相似性を利用

「y-tグラフ」が描けたら、これを数式にします。

単振動の式と言っても、これまた難しく考える必要はなく、数学で習う三角関数のグラフとの相似性から立式すれば簡単です。

下図をご覧ください。

左は数学で習う sin のグラフで、右は先ほど描いた今回の単振動のグラフです。

両者の違いは、横軸(θ と t )と周期(2π と T)のみなのが一目瞭然ですよね。

※振幅は A で揃えています。

単振動の式を立てる簡単な方法

sin のグラフの式は「y = Asinθ」ですので、θ を t で表すことができれば、それをこの式に代入して t の関数に置き換えられます。

そのためには図中に書いたとおり、θ と t、そして両周期の間の関係を比で表せば簡単です。

内項の積 = 外項の積」を解くことで θ を t で表すことができるので、これを「y = Asinθ」に代入すれば、変位 y を時刻 t で表す単振動の式の完成です。

けっこう簡単ですよね?

【ステップ2】着目点 x までの到達時間 t’ を求める

次に、ステップ1で単振動の式をつくった点(今回は原点でした)から、着目点 x までの到達時間 t’ を求めます。

着目点というのは、波の式をつくる点のことです。

例えば、「点 x = 〇 における波の式をつくれ」という問題でしたら、x = 〇 までの到達時間を求めます。

今回のように、一般的に「波の式をつくれ」と言われたら、それは「任意の位置 x における波の式をつくれ」ということですので、任意の位置 x までの到達時間を求めます

このステップも鬼簡単です。

波は速さ v で正方向に伝わると例題の図中に示してあるので、原点から任意の点 x までの距離 x を v で割って、t ‘ = x/v となります。

※物理でも数学でも化学でも、未知数は正と仮定しますから、任意の位置 x は正の位置と仮定します。

任意の位置 x までの到達時間の求め方

【ステップ3】t を(t-t’)で置き換える

最後に、ステップ1で立式した単振動の式中の t を、ステップ2で求めた t’ を使い、(t-t’)で置き換えてフィニッシュです。

というのも、任意の位置 x ではステップ1の位置から t’ だけ遅れて波が伝わってくるからです。

次の図で確認してください。

波の式をつくる最後のステップ、t を t' で置き換えることを説明した図

このように、波の式が導出できました!

※最後に波の基本式(vT = λ)を使って若干変形しておきました。

まとめ

以上のように、3ステップで簡単に波の式が立てられます。

今回のポイントを単語カードにまとめておきますので、是非復習に役立ててください。

波の式を立てるための3ステップのまとめ(1)

波の式を立てるための3ステップのまとめ(2)

以上となります。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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