三角関数の相互関係は隠れた条件式として使う!対称式の問題で説明!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

今回は三角関数の相互関係について、教科書等とは少し変わった解説をしてみたいと思います。

まずは前菜として三角関数の定義から相互関係3つ +α を導きます。

その後メインとして、相互関係を使って解く対称式の問題を解説します。

デザートは三角関数の基本対称式についてのポイントのまとめです。

今回はそれほど重たい内容ではないので、気軽に読み進めていただければ幸いです。

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三角関数の定義と相互関係

まずはじめに次の図で、三角関数の定義と相互関係の導出を説明します。

三角関数は単位円で考えるのがセオリーです。

三角関数の定義と相互関係(導出)

原点を中心とする単位円周上の点Pの、x座標が cosθy座標が sinθ です。

また、原点と点Pを結ぶ線分の傾き、つまり y/x が tanθ です。

<注意>

θ が π/2 + nπ(n は整数)のときは、tanθ は定義されません。

つまり原点と点Pを結ぶ線分が y 軸と重なるとき(x = 0 のとき)、tanθ(傾き)は定義されません。

数学では分母が 0 は NG ですからね。

<注意おわり>

さて、以上の三角関数の定義を使えば相互関係3つは簡単に導くことができます。

点Pは単位円周上の点で半径1の円の方程式を満たすので、sinθ と cosθ の「2乗の和は1」(①式)となります。

また tanθ の定義に cosθ、sinθ の定義を代入すれば、tanθ = sinθ/cosθ(②式)は当たり前です。

最後の cosθ と tanθ の相互関係式(③式)は一見複雑で覚えづらいですが、そもそも覚える必要はありません。

cosθ ≠ 0 のときに①式の両辺を cosθ の2乗で割って、②式を適用すればその場ですぐに導出できます。

ちなみに sinθ ≠ 0 のときに①式の両辺を sinθ の2乗で割れば、sinθ と tanθ の関係式(④式)も作り出すことができます。

③式よりも④式を使う方がすんなり解ける問題もあるので、どちらも必要に応じて導出できるように、また使いこなせるようにしておきましょう。

三角関数の対称式の問題に挑戦!

それでは次の問題で相互関係の実践的な使い方を解説したいと思います。

sinθ と cosθ の対称式の値を求める問題です。

お時間のある方は、是非実際に紙に書いて解いてみてください!

三角関数の対称式の例題

<解答>

文字(変数)が2つの場合の対称式と基本対称式について、簡単におさらいしておきましょう。

対称式は2つの文字を入れ替えても式が変わらない式のことで、因数分解の公式などを使うことで、基本対称式で表すことができます

本問で値を求めたい式は sinθ と cosθ を入れ替えても式が変わらないので、sinθ と cosθ に関する対称式です。

また、基本対称式は対象の文字2つの和と積のことです。

つまり sinθと cosθ に関する基本対称式は、sinθ+cosθ および sinθcosθ となります。

ということで与えられた対称式は、基本対称式 sinθ+cosθ および sinθcosθ で表すことができます。

因数分解の公式を用いた式変形は次のとおりです。

三角関数の対称式の例題の解答(補足)

(実際は相互関係の「2乗の和が1」を使ってもう少し近道できます。後の解答の図をご覧ください。)

よって、sinθ+cosθ と sinθcosθ の値が分かれば問題解決です。

ですが、問題文で与えられているのは sinθ+cosθ の値のみです。

条件式が1つ足りませんよね。

そこで本記事のタイトルを思い出していただきたいと思います。

三角関数の相互関係は隠れた条件式です。

本問では sinθ と cosθ が登場しているので、相互関係の「2乗の和が1」を使います。

与えられた sinθ+cosθ の式の両辺を2乗すれば sinθ と cosθ の「2乗の和」と sinθcosθ が現れ、前者は1なので後者の値を求めることができます。

後は与えられた対称式の変形版に sinθ+cosθ と sinθcosθ の値を代入すれば終了です。

三角関数の対称式の例題の解答

まとめ

このように条件式が足りないとき、三角関数の相互関係が隠れた条件式として有効な武器になります

是非覚えておいてください。

今回の単語カードのまとめには、相互関係の活用例の1つとして例題で取り上げた「sinθ と cosθ の基本対称式は片方が分かれば他方も分かる」ことを書いておきました。

三角関数の基本対称式(sinθ+cosθ、sinθcosθ)のポイント(1)

三角関数の基本対称式(sinθ+cosθ、sinθcosθ)のポイント(2)

今回は以上となります。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!