ベクトルの大きさは二乗すると道が開ける!二乗が自身との内積になることが最重要!

難易度:★☆☆☆
頻出度:★★★☆

今回はベクトルの大きさを扱うときの心構えについて解説します。

結論を言ってしまうと「ベクトルの大きさは二乗するのが有効」です。

どうして二乗するのが有効なのか、その威力を2パターンの例題で味わっていただきたいと思います。

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ベクトルの大きさは気軽に二乗できる

はじめに次の図をご覧ください。

ベクトルの大きさの概要とポイント

ベクトルの大きさは視覚的には矢印の長さであり、三平方の定理を用いると「成分の二乗の和の平方根」で算出できます。

ここで、矢印の長さにマイナスはあり得ないので、ベクトルの大きさは必ず0以上になります。

よってベクトルの大きさを二乗する計算は同値変形となります。

つまり、あるベクトルの大きさが k ならば、大きさの二乗は k の二乗となり、その逆も成り立ちます。

これは当たり前のことのような気がしますが、普通は「逆」は成り立ちません。

例えば「二乗が 4 の数は 2 と -2 」であるように、マイナスの数も考えなくてはいけないからです。

お時間があれば次の関連記事も読んでいただければ幸いです。

少し話が逸れ気味なので軌道修正します。

普段は意識しませんが、数学における式変形は同値変形で進めるのが鉄則です。

前述のとおり、ベクトルの大きさを二乗する計算はこの同値変形なので、論理的に正しい式変形だと言えます。

なのでちょっと変わった言い方をすれば、ベクトルの大きさは気軽に二乗しても構わないのです。

そして二乗すると道が開けて問題が解けることが多いです。

大きさを見たらとりあえず二乗」して解法のアプローチを探ると良いでしょう。

ここからは「大きさの二乗」がカギとなる代表的な2パターンを例題で解説します。
それぞれのパターンで何故二乗が有効なのかも説明しますね。

パターン1:成分で計算

最初に述べたように、ベクトルの大きさは「成分の二乗の和の平方根」です。

なので大きさを二乗すれば平方根がとれて扱いやすくなります

このことに着目して次の問題を考えてみましょう。

ベクトルの大きさの最小値を求める問題(t が変数)

<解答>

基本的ですが、よく出る問題です。

ベクトルの大きさの最小値を聞かれていますが、「大きさを見たらとりあえず二乗」してみます。

すると t の二次関数が現れるので、平方完成することで「大きさの二乗」の最小値を簡単に求めることができます。

(平方完成については是非次の記事も参考にしてください。)

上で述べたとおりベクトルの大きさは0以上大きさの二乗は同値変形なので、「大きさの二乗」が最小となるとき「大きさ」も最小となります。

そして「大きさ」の最小値は単純に、「大きさの二乗」の最小値のルートをとればOKです。

ベクトルの大きさの最小値を求める問題(t が変数)の解答

この問題はベクトルの大きさを成分で議論する問題でした。

パターン2:(自身との)内積で計算

ベクトルの大きさ(の二乗)にはもう一つ重要なポイントがあります。

(成分を用いた計算よりもこちらの方がさらに大切です。)

それは「ベクトルの大きさの二乗は自身との内積」という点です。

ベクトルの大きさの二乗は自身との内積

内積の計算で頻繁に用いる公式なので、無意識的に使えるようになるまで習熟しておきましょう。

ではこのことを利用して次の問題を考えてみてください。

ベクトルの大きさを二乗して内積を作り出す問題

<解答>

これまた基本的な問題ですが、難易度が高い問題の誘導として出題されることもあります。

ここでもまた「大きさを見たらとりあえず二乗」です。

与えられた「aベクトル + bベクトル の大きさ」を二乗し、それを自身の内積と捉えて内積の演算に持ち込みます。

内積の演算は「展開」の要領で行うことができます(同一ベクトルの内積は大きさの二乗に変換します)。

計算を進めれば値を求めたい内積のみが残り、自ずと答えまでたどり着けるでしょう。

ベクトルの大きさを二乗して内積を作り出す問題の解答

この問題はベクトルの大きさを内積と絡めて議論する問題でした。

以上、ベクトルの大きさを二乗して解き進める、2パターンの例題でした。

まとめ

最後に今回のテーマのまとめです。

ベクトルの大きさは二乗すると解法の糸口が見つかることが多いです。

今回は基本的な2つのパターンとして、ベクトルの大きさの二乗を、成分で計算する問題と(自身との)内積で計算する問題を解説しました。

特に後者は内積の演算のキーとなる事項です。

次のように単語カードに要点をまとめておきます。

ベクトルの大きさは二乗すると道が開ける(1)

ベクトルの大きさは二乗すると道が開ける(2)

今回はここまでです。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!